家庭の事情から田舎で生活することになった子供が、竹林で〝妙なもの〟に出会う物語。
現代日本を舞台にしたホラーです。
いろいろと複雑な生い立ちの少年が、田舎の『何か立ち入ってはいけない場所』に立ち入ってしまうお話。
この舞台設定や諸々の道具立てが、すでにして「まさに怪談!」という雰囲気を醸しているのが素敵なところ。
特に迷うようなところや難しいところなどもなく、すいすい読めちゃう作品はいいものです。物語やそれを支える設定の飲み込みやすさ。
主人公の抱えたもの、というか、独特の生い立ちが印象的です。
もうとにかくひどい家庭事情……それだけに、その後のおばあちゃんとの生活が明るく上向きで、主人公にとっての救いであることがはっきり読み取れるところが好きです。
そして、そこからの、中盤〜終盤の展開。ネタバレになるため詳しくは触れませんが、独特の印象を残してくれる作品でした。