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お姫様と龍は、すっかり仲良しになりました。お姫様の懸命な手当で、同じ仲間につけられた傷はすっかり癒え、今ではお姫様を背中に乗せて空を元気に飛び回ります。それに飽きると、今度は地上に降りて森の果実を食べました。お腹が膨れると、お姫様は自分が知っている物語をたくさん龍に話して聞かせました。龍はお姫様の体のすぐそばに顔を下ろし、お姫様の話す自分の知らない物語に楽しそうに聞き入るのでした。
何日経った頃でしょう。
お城を勝手に抜け出したお姫様が、龍と懇ろにしていることを父王がお知りになったのは。
父王はひどく怒りました。この国にとって、龍は人間の富を食べる怪物に他なりません。そんな怪物と自分の大切な娘が仲良くしていることが世間に知られてしまえば、隣国の王族達からどのような誹りを受けるのか、想像するだけでも恐ろしいものでした。
早速、父王は選りすぐりの兵隊たちを龍の住処へ差し向けました。ところが、龍の鱗は硬く、剣も槍も、あらゆる鉄の刃をもってしても貫くことはできませんでした。龍の鱗は同じ龍の牙や爪でなければ、傷つけることはできないのです。
困った父王は、城の魔法使いに相談しました。魔法使いは、王にこう申し立てました。
「騎士たちがその剣で龍を殺せないように、魔法使いである私の魔法でも龍を殺すことはできません。けれど呪いならば、王の望みを叶えられるでしょう」
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