第15話 扉の向こうで

咲と樹里。それぞれが愛の告白を済ませてから、一緒に部屋に戻った。


お互いの体が玄関に入ると、扉が閉まり切るのも待たずに口付けを交わす。


樹里が再び東京に来てから初めてのキスだ。


柔らかくて温かい感触が堪らなく嬉しくて、何度となく重ね合わせているうちに、更なる高まりを満たしたくなる。

自然と口の中へ舌を這わせ、舌同士を絡ませると、もっと相手のことが欲しくて、近付きたくて、きつく抱き締め合う。


もう駄目。このままずっと抱き締めていて欲しい。そう思った時、お腹の奥がもっと相手のことを欲しがって子宮の辺りが熱くなってきた。



「樹里……」


唇を剥がし、呼吸をするのと一緒に、樹里の名前を呼んだ。


すると樹里が少しだけ目を開けると、腕の力を緩めて重ねていた唇を胸元に押し付けた。


「んッ!、樹里……」


私も腕の力を緩めると、樹里の頬にキスをして、樹里を呼んだ。


「ベッド……行こう……」



樹里を背中から抱き締めながら寝室へ入ると、ベッドへ腰掛けてお互いのシャツを脱がせた。

それから履いているものの留め具を外すとそれを脱がし、ブラを外すと枕元へ置いた。


こんな明るい部屋で樹里の体を見るのは初めてで、もちろん樹里も私の体を見るのは初めてだった。


お互いに相手の乳房にそっと手を置くと、鎖骨や肩、そして二の腕など、相手の体の感触を確かめるように優しく撫でた。


「樹里、きれい」

「咲もきれい。私、嬉しい」

「私も嬉しい」


二人は優しく唇を重ねると、どちらからともなく、お互いの乳房を触った。


「樹里っ!、気持ちいいっ」

「咲っ、私も」


樹里が大きく膨らみ始めた乳首に触ると、咲は思わず弓なりにのけぞってしまった。


「あんッ!」


「咲は感じやすいのかな」


樹里が咲の乳首を二本の指で摘むと、ふにゅふにゅと指先で転がした。


「ああんッ!」


「樹里!、好きな人にそんな事されたら、おかしくなっちゃうよ」


「ふふっ♪、嬉しいの?」


「うん、嬉しいっ!」


「咲、かわいいよ」


「樹里っ!」


咲は無意識に樹里の乳房をぎゅっと握った。


「んあッ!」


今度は樹里が突然の強い刺激に反応した。


「樹里ッ」、咲は樹里の唇を求めた。


樹里は咲と口付けると、唇で咲の乳房に触れた。


「ふああッ!」


その刺激にまるで感電したかのように、咲の力が抜けて、ベッドへ倒れてしまった。


「さき……」


樹里は確かめるように咲のそばに寝転ぶと、唇を合わせて、再び乳房にキスをし、完全に立ち上がった乳首を舐めた。


咲が刺激から逃れようと身をよじらせる。


「咲、恥ずかしがらなくていいよ。咲はみんなきれいだよ。たくさん舐めるからね」


樹里は左右の手を、咲の左右の手と重ねると、咲への愛を乳房へたくさん伝えて始めた。



「あんッ、あんッ、樹里、だめ、変になっちゃう」


「良いんだよ。もっと感じて」


樹里は、咲の顔を見ながら乳房に愛を伝えていたが、組敷いた腰の悶えるような動きがどんどん激しくなる事にも気が付いていた。


「咲、もっとシて欲しくなっちゃうよね♪」


乳房から口へと唇を移すと、しっかりと重ね合わせて、咲の昂ぶりを受け取った。


それから重ねた手を離し、咲の腰に添えると、唇から伸ばした舌を胸元から胸の間、そしてお腹、お臍と這わし、咲の期待を高めた。


すでに咲はどこも触らなくても、誘うように腰をくねらせながら身をよじることが止まらず、目を閉じながら、荒くなった息づかいを腕で隠していた。


樹里はそんな咲を可愛いと思いながらも、もっと焦らすか、早く満たしてあげるかで迷っていた。


そして、ふと、咲のために持ってきた物をどうするかも頭によぎった。



「咲、腰を浮かせて」


素直に咲が腰を浮かせた。


「咲はいい子だね。脱がすよ。もう咲の匂いがぷんぷんするよ」


「ぃやあ……」


ショーツに手をかけるとゆっくりと脱がし始めた。


「咲、凄い。もうあふれてて、ショーツと糸がつながってる」


「やあだぁ……」


「いっぱい我慢したんだもんね。いっぱい気持ちよくなってね」


「はやくっ……」


「はやくなに?」


「脱がしてシて!」


「分かったよ。脱がすね」


樹里は脱がしきると、裏返して、たっぷりと濡れた所に顔を寄せると「いい匂い♪」と呟いた。


それを薄目で見ていた咲は「そんなこと止めて」と言ったが、ショーツを咲の顔のそばに持っていくと、咲に匂いを嗅がせた。


「イヤッ!」


樹里はそこから指先で蜜をすくうと、舌の上に塗り、咲の口元に近付いた。


「イヤッ、ムリッ!」


一旦、舌を中にしまうと唇を重ね、舌を唇に押し付けた。


咲が顔を背けて嫌がったので、指でもう一度拭い取ると、違う指で口を開けさせて、蜜の付いた指を口の中へ差し込んだ。


咲は口を大きく開き、その指に触れないようにしたが、樹里は舌の上に塗り付けるように指を動かし、それから唇を合わせて舌を絡めた。


「咲の美味しいよ」


「やめて!」


「これからたっぷりと舐めてあげる。指も中に挿し込んで、気持ちよくしてあげる」


そこまで伝えて、咲が期待に満ちた目をしたことを見届けると、樹里は咲が誰にも見せたことが無いところに顔を埋めた。


「ふぅっー♪」


「あっー!」


「息を吹きかけただけでも気持ちいいでしょ。女の子で良かったね♪」


「じゃあ、次はこれです」


樹里は舌を伸ばすと会陰から大陰唇の上まで大きくレロリと舐め上げた。


「ああああぁ…!」


「今のが舌を使って大きく舐めたんだよ」


「次からは教えてあげないからね」


樹里は同じように何度か舐めあげると、逃げようとする腰を押さえて、内側のひだの辺りを舐めながら、そっと中指を沿わせて上下に動かした。


咲の腰が逃げずに、指の動きに合わせるように動き始めた。


「んッ、あッ、んッ、ふッ、んッ」


口から漏れる声もリズミカルになっている。


樹里はそのまま中指をヘリから中へ少しずつ挿し込んだ。


「んッ、くッ、あッ、やッ、んッ、くッ」


声の中に苦しげに吐息が混ざる。


その動きを止めずに、咲に話かけた。


「咲、今、私の中指があなたの中へ飲み込まれようとしてるの。わかるでしょ。もう少しで全部入るからね。今日は私があなたの処女膜をもらうからね。優しくするから怖くないよ」


話していることを、どのくらい理解したのか分からないが、今、中指が付け根まで埋まった。

指を覆う壁を万遍なく擦ってあげよう。


樹里は指をくりくりと廻しながら、咲の様子を見た。

そして唇を陰核を包む包皮に乗せると、隠れた部分をむき出すように舌を動かした。



「あんッ!、あんッ、ああんッ!、やッ、だめッ、強すぎ!」


「気持ち良くなるよ。ここがクリトリスだよ。敏感でしょ」


樹里は舌を使って刺激をすると、中指を一旦抜いて、薬指を増やして、もう一度、中へ埋め始めた。


「んッー!、あぁーッ

!」


クリへの快感と、二本入ろうとする指からくる抵抗感とで、咲は悶え苦しんでいる感じだった。

でも、もう少し。そう思って指をゆっくりと抽送しながら付け根まで入れきった。


「咲、指を二本に増やして挿れたの。全部入りきったよ。ほら、分かるでしょ。出たり、入ったり。少し動かすからね」


咲は肩で大きく息をしながら、二本の指の動きを堪えているようだ。

私は一旦、指を抜くと、咲にキスをして、ベッドから離れた。


すぐに戻った私はもう一度、咲にキスをすると、持ってきた物を口で咥えて濡らすと、咲の膣口へ当てがい、ゆっくりと挿し込んだ。


太さは指二本分より少し太い程度だが、長さは指よりも長く、しっかりと奥まで届く長さがある。


それを少しずつ抜き挿ししながら咲の体内に埋めていく。


強ばる咲をほぐすために、私は唇を重ね、左手を首の後ろに回した。


「あぁッ、あッ」


確実に入っていくが段々ときつくなる。


「咲、あと少しだよ。私を見て」


目を開けた咲と見つめ合うと、少しずつ力を込めて埋め込んだ。


咲の目からは涙がこぼれた。


「咲、入りきったよ。私、咲の処女膜もらっちゃったよ。少し動かすからね」


咲の頬が上がり、少し微笑んだ気がしたが、抽送を始めると、その動きに合わせて顔が歪んだ。


私は咲とのキスを止めると、再び顔を股に埋め、

クリへの刺激を始めた。


手で握っている物が段々と重く動かしずらくなってきた。

それを抜き取ると、もう一度、指二本を沈め、恥骨の裏にあるであろうGスポットを探りながら攻めた。


「いやーッ、だめーッ」


「いいよ、我慢しないの!」


「あーんッ!、おかしくなっちゃう!」


「おかしくなって!」


咲が自分で腰を動かし始めて、私の口にぐりぐりと押し付けてくる。


私は大きく膨らんだクリを乳首を吸うように吸い込んで舐めた。


「それいいッッ!」


「もう駄目、いっちゃう!」


「いくよッ!、あッ!、あッ!、んッ、んーッ!」


「ふう、ふぅ、ふぅ、ふぅ」


「樹里。キスして……」


「いいよ」


私は口を腕で拭うと、咲にキスをした。


「壊れちゃうかと思った……」


「良かったね♪」


「樹里のこと、出来なかった……」


「今日は咲だけでいいよ」

「時間はこれからもあるんだから」


「さっき何挿れたの?」


「これだよ♪、バイブレーター」


「そんなの挿れたの!」


「処女膜破ったよ♪」


「あ、ありがとっ」


「これでもう気にする必要ないね♪」



急に唇を寄せてきた咲に口を塞がれると、樹里は目を閉じて咲に体を預けた。



(終)

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ハジメとアンリ tk(たけ) @tk_takeharu

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