藍い海
千恵花
第1話 藍色の海
夜の帳が下りて
人も動物たちも
森も街も
深い眠りに就いた頃
あなたの胸の中に
藍色の海は見えてくる
月は煌めき
星は瞬き
静寂の中に寄せては返す
白い波の音だけが聞こえてる
静かな浜辺の
遥か遠い向こう
空と海とが交じり合う場所
ひと粒の光が
長い尾を引いて
海へと消えていった
あなたの胸の中
藍色の海で
それは光が
小さな小さな人魚となった瞬間
海と戯れ
海に舞い
海に抱かれ
海で眠る
朝は昇る太陽に
目覚めの時を知り
昼は眩しい光の
シャワーを浴びて
夕は沈む夕焼け色の
オレンジをかじり
夜は水面に映る
月のゆりかご
揺れる波は
小さな人魚の
柔らかな髪を撫でて
安らぎの眠りへと
藍色の海で
移ろいゆく四季を
刻まれる時のしるしを
小さな小さな人魚は
あなたと共に生きてゆく
儚く泡と消える日まで
あなたと永遠(とわ)に 生きてゆく
藍い海 千恵花 @caorinhana
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