松ではなく梅でもない、上でもなく下でもない

@kakeyome111333

第1話 Iさん

ボクは都内在住のごく普通の高校生。ボクの高校では嫌な噂が出回っている。それは、ボクとIさんが付き合っているという噂だ。Iさんは体育大好き活発な子。ボクはこの噂で、Iさんに嫌われるんじゃないかってすごく気にしている…。Iさんはボクにすごく優しいんだ。ボクが荷物を運んでいると手伝ってくれるし、ボクがケガした時は付き添ってくれたり。といっても、ボク以外にも優しいんだけど…。あー、どうしてこんな噂が広まったんだろう。理解できないよ。Iさんにだけは絶対嫌われたくないよ!絶対!


Iさん「おはよう、考えごと?」

ボク「あ、Iさんおはよう。昨日の英語の宿題やった?1限目だよ」

Iさん「ぶい、ちゃんとやってるから大丈夫。そっちこそちゃんとやったの?」

ボク「実は終わってなかったり、あはは…」

Iさん「もう、宿題見せてあげるから早く終わらせなよ」

ボク「ごめん、冗談。もう終わらせてるよ、ほらね」

Iさん「もう、なんでそんな嘘つくかな」


やっぱりIさんは優しい。この優しさがボクにだけ向いてくれたりしないかなあ。あの噂が本当になってくれたりしないかなあ。


Iさん「ならないよ。そんなことにはならない」

ボク「…え?」

Iさん「たぶん、君は勘違いしているよ。そうはならない」

ボク「Iさん…?」

Iさん「だから、そんな解答にはならないって。ちゃんと聞いてる?」

ボク「え?あ、宿題の話?」

Iさん「聞いてなかったの?」

ボク「い、いや聞いてたよ」

Iさん「いーや。聞いてなかった」

ボク「ぶんぶん、聞いてたもん!」

キーンコーンカーン

ボク「あ、やば。着席着席」

先生「チャイムなってるぞー」

Iさん「君は聞いてはくれないんだね、私の想いを」ボソッ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

松ではなく梅でもない、上でもなく下でもない @kakeyome111333

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ