編集済
すなさとと申します。
この度は、当企画にご参加いただきましてありがとうございました。
めっちゃ久しぶりの古典、素敵でした!
独特の空気というか世界というか、このまったりと優しい文体が古典ならではで美しい。もっとみんなに読んでもらいたい!
次回の企画ページで、ご紹介させていただきますね。
素敵なお話、ありがとうございました! (*- -)(*_ _)ペコリ
追伸
レビューは、作品があまりに美しい文体過ぎて、これを的確に言い表せる自信がなく、星だけ投げさせていただきました💦
企画での紹介文も、あれでしたら、ご連絡ください。
作者からの返信
すなさと樣
初めまして、工藤行人です。
この度は拙文に★や応援、フォロー、コメントまで頂戴したばかりか企画ページでも取り上げて下さり、何とも恐縮しております。「ドストライク」とのお言葉に、「やったぜ!」とニヤけてしまいました。
自己紹介にもございます通り、物語ることよりも「ことば」そのものに強い興味・関心を寄せ乍ら色々と書いておりますものですから、当拙文に「まったりと優しい文体」「柔らかな文体、日本語美」といったご評価を頂戴しまして欣喜雀躍しております。
私は新しい物語を紡ぐことよりも、すでに著された物語の「翻訳」のように、作者の意図を探りながら別の言葉をパズルのように嵌め込んで当て直していく作業の方が性に合っているのかも知れないと、今回つくづく思い知らされたような気がしておりますので、調子に乗って今後も同様の私訳シリーズを試みていければと考えております。
ところで、特にお目に留めて下さった「例の表現」は、実は原文をまま活かしたものでした。古典の常套手段であるああいった遠回しな転喩表現は私も一等好もしく思われておりまして、今更ながら下手に現代語で当て直さずに良かったと安堵しております。
★でのご評価だけでも大変嬉しいことですので、レビューはお気遣いなきようお願い申し上げます。
気紛れで、必ずしも勤勉な書き手ではございませんが、今後とも折々に覗きにいらして下さいますと幸甚です。
編集済
薤上の露という熟語は菊の精の少将との結晶である嬰児を残して逝った姫君の悲しみとかざしの姫を大切に育てた御父中納言殿と御母北の方の哀惜に満ちた悲しみの涙を的確に捉えた表現で、物語にインパクトを与えていると思いました。
菊の精の少将を清麗だけれど弱き立場の方と捉えると室町時代の頃の戦乱の世の生き辛さも切なく映し出した物語のようにも推察しました。
作者からの返信
中澤樣
有り難くもコメント頂戴してばかりで恐縮しております。
「薤上の露」の含意、叮嚀にお酌み取り下さったのですね。原文では「朝(あした)の露と消え給ふ」とだけあって、これはこれで古典の常套句、姫君の死を迂遠に表するには良いのですが、見方を変えれば姫君だけにフォーカスしたどこか素っ気ない表現の感も否めずおりましたので、双親と何より嬰児を遺して儚くなる姫君の無念の泪、先立つ子を目の当たりにする父中納言や母北の方の泪、幼時より姫君を傅き育てた乳母の泪……この場に居合わする総ての人々の泪を、繊い薤(にら)の葉の露と置いた次第だったのです。勿論、滴る泪の暗喩であるのみならず、姫君も薤露の滴るが如く直ぐに消え逝く運命からは遁れられないというところも含むのですが……お気付き下さって有り難うございました。
室町の乱世にいよいよ菊の威光は弱まり、だからこそ人と菊との「間の子」たる少姫君と帝との婚姻によって菊の活力を流入させ、以て皇室の再生を祈念する、そういった寓話であるとの解釈もこの物語にはなされているようです。面白いですね。