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〜美羽side〜
一限目は移動体育。
学校から数10m離れている5号館への移動途中、
友達のふたばはとある話題を持ちかけた。
ふたば「そんでなー、昨日とある人とLINEしててんけどな?
美羽のこと、気になってんねんて!誰やと思う?」
「えぇ、誰やろう。見当つかん。」
目を輝かせ、聞いてくるふたば。
彼女の純粋な瞳に胸がチクリと痛んだ。
普通の女子高生ならば、こういう話題に花を咲かせるのかもしれないけれど、
何故だか私は違う。
ふたばとは対照的にあまり歯牙にも掛けない私。なんだか申し訳ない気持ちになった。
ふたば「しょうがないなぁ。誰か教えてあげる。」
「うん、教えて?」
少し上からなのが気になったが、話を繋げるためにも素直に教えてもらおう。
ふたば「他クラスの成瀬育利!知ってる?」
なるせ…いくと…
クラスの女の子達が成瀬くんの話をしているのをよく耳にするため、存在自体は知っている。
しかもその内容はどれも、"成瀬くん、まじかっこいいんだけど"この一言。
ふたばから彼の名前が出た途端、
彼のあまりにもの人気度に鳥肌がたってしまうほど彼と私はかけ離れた人物だ。
そんな人がどうして…
「なんで私なんかが?」
ふたば「んー?あー、一目惚れらしいで。」
「え、一目惚れ?成瀬くんの周りには可愛い女の子なんていっぱいいるじゃん。」
ふたば「ふっ、言い方w
いやいや、育利が一目惚れする理由、めっちゃくちゃわかるけどね。
だって美羽、入学当初から既に周りからは一目置かれてたしねー。
育利の周りにいる女の子達とは比べ物になんないくらい、美羽は可愛いよ。」
「いやいやっ、それはないって。」
にしても、なんだ結局外見か。
私は心の中でツッコミをいれた。
「でもさ、外見やったらそのうち好きやなくなるんやない?」
ふたば「えーそうかなぁ。かなりベタ惚れやったでw」
〜〜
その話を聞いてから、授業中も勉強に集中できないくらいその件で頭がいっぱいに…
なんて、少女漫画じゃあるまいし、そんなことは一切なかった。
ふたばから話を聞いたあの時間だけ、ちょっと気にしてしまったくらいで、
それからの体育は普通にバレーボールを楽しんだし、
その時点で私の頭からはきれいすっきりなくなっていた。
なんでそんなに恋愛に興味がないかって?
興味はある。ただし過去形。
本当のところはわからないけれど、
今の私に新しい恋愛だなんて、とてもじゃないけど"踏み出せる状態じゃなかった"
だからなのかもしれない_____。
恋を教えてくれた君へ… @non728
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