第11話 蒼の場合4

ーーーバタン

今日も疲れたな…。


家に帰ってきて、自分の部屋に入ると少し落ち着く。「世間が音が聞こえなくなった日」からまだ1週間経ったか経たないくらいだ。


相変わらずクラスのみんなは聞こえていないみたいだし、相変わらずみんなが音が聞こえていた時より、外はずっと騒がしい…。


夜は外で叫んでいる人がいるし、大音量の音楽が流れているのに気づかない人もいる。でも、注意なんてしたら、明らかに普通ではないと分かってしまう…。頭がおかしくなりそうだ。


自分の行動一つ一つがおかしく見えてしまうんじゃないか、そんなことばかり考えながら過ごす日々がまた始まってしまった。


いっそのことクラスの誰かに話してしまいたい、そうしたら楽になるんじゃないか…いや、でも母さんが[言ったら、どんな目にあうか分からないよ〕って話してたしなぁ…。


こんなに悩んだのは、あの中学の時以来か…


中学にいた時はどちらかというと、今よりずっと浮いた存在だった。どちらかと言うと、嫌われていた方に近いんじゃないか…。せっかく高校に入って、周りと上手くやっていけるようになりそうだったのに…


今日も夕飯まで課題をやりながら、音楽を聴く。こうでもしないと、変な考えばかりが頭を駆け巡るのだ。




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音が消えた日 ねるねるねこ @komotomo2525

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