銀河の友情 焼きそば
「奴らってなんだよ。半分を占めてるってやばいな」
話の流れでピザみたいに切られたお好み焼きを2人で食う。俺は小狡い共和連邦を、王子は浅ましい自由同盟連合の部分を食ってる。俺は優しいから帝国の部分は王子に譲ろう。
プレートには半分になったお好み焼きがじゅうじゅう言ってる。
「奴らって言うのは虫じゃ。スペースバグズって言う虫。体は戦車の装甲の様に硬く、高出力のビームを撃ち、体内でミサイルを生成して放ってくる。奴らは虫の分際でワープも出来るんじゃ。帝国は三国で共同戦線を張って虫と生存圏をかけて戦っておる。もう300年間」
虫との宇宙戦争か。詳しく聞くと三国以外にも国家はあるらしい。ただ虫とまともに戦える国は3つだけだと言う話。そう言う意味ではこいつの帝国はまさしく銀河の超大国の一角なんだろう。
「これが奴らってわけか」
俺は残った半分のお好み焼きを力を込めてヘラでぶった切る。スペースバグズの話をしてる時のこいつの顔は背負う物のある王子の顔をしてた。こいつにはアホでいて欲しい。
「もうこの話は良いじゃろ。因みになぁ〜地球をこのお好み焼きで表すとこれじゃ!」
俺に向かってキャベツの破片をぺいっと飛ばしてきやがった。大きさにして3ミリほど。
「はぁ〜地球の事をそんな風にねぇ。残念だなぁー焼きそばの麺買ってたのに。一人で食うわ」
「ちょっと待て?我たち友達だろ?宇宙の架け橋の様な友情はどこいった?」
「そう言う時だけ擦り寄ってくんな。まっ作るけど。二袋で良いよな」
「信じてたぞ〜」
はぁ…仕方ねぇなぁ。
俺は焼きそばの袋麺を電子レンジに二つ放り込む。ちーん!
プレートの上にほぐれた焼きそばを投下してソースをぶっかける。それから余ったキャベツを追加してヘラで仕上げていく。
「このソースの香りはたまらんの〜宇宙麻薬として規制すべきではないか」
お好み焼きの後にソース焼きそばで、第二ラウンドに突入したら腹ぱんぱんになった。
洗い物終わったら王子は爆睡した。俺はレポートをやる事にする。
この宇宙人、見た目もメンタリティも地球人と区別がつかないのだけど一つだけ決定的に違う事がある。それはいびきだ。
「みょんみょんみょん…」
これが、こいつのいびきだ。…もう慣れた。
普通の大学生の俺が銀河帝国の息子とルームシェアする話 土蛇 尚 @tutihebi_nao
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。普通の大学生の俺が銀河帝国の息子とルームシェアする話の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます