儚き雪

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儚き雪

「へっくしゅ」

ハラハラ舞う雪があまりにも綺麗で、時間も忘れて見てしまっていた。

おかげでくしゃみが出るほどに体が冷え切ってしまったようだ。


「ココアでも飲も」

誰もいない部屋に自分の声だけが響く。


ストーブの上に乗せたやかんから、インスタントのココアを入れたマグカップにお湯を注ぐ。


「はぁ〜甘くてあったかい」

体の中から温まるのを感じた。


せっかく目が覚めるようにと窓を開けたのに、これじゃあまた布団に戻りたくなってしまう。


バタバタという、雨が屋根に当たる音が聞こえてきた。


「あーあ、雨になっちゃった…」

ちょっぴり淋しさを感じた。


「また、会おうね」

窓の外に向かって手を振った。

本格的な雪の季節はもうすぐだ。

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