儚き雪
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儚き雪
「へっくしゅ」
ハラハラ舞う雪があまりにも綺麗で、時間も忘れて見てしまっていた。
おかげでくしゃみが出るほどに体が冷え切ってしまったようだ。
「ココアでも飲も」
誰もいない部屋に自分の声だけが響く。
ストーブの上に乗せたやかんから、インスタントのココアを入れたマグカップにお湯を注ぐ。
「はぁ〜甘くてあったかい」
体の中から温まるのを感じた。
せっかく目が覚めるようにと窓を開けたのに、これじゃあまた布団に戻りたくなってしまう。
バタバタという、雨が屋根に当たる音が聞こえてきた。
「あーあ、雨になっちゃった…」
ちょっぴり淋しさを感じた。
「また、会おうね」
窓の外に向かって手を振った。
本格的な雪の季節はもうすぐだ。
儚き雪 樹(いつき)@作品使用時の作者名明記必須 @ituki505
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