第5話 日常4
ナガイシュン。クラスの中でもトップクラスの実力を持つ。学年の中でも5本指には入るほどの実力者。火属性魔法をメインに操り近距離での火力は学年一。それでいて爽やかでイケメンと称されるようなルックス。性格も温厚。誰にでも人当たりよく、いわゆるモテ男というやつだ。俺とは全てにおいて真反対に位置する男。
「ナガイ君頑張って〜〜!」
と女子たちからの黄色い声援が彼に向けられた。
それに対しナガイは笑顔を向けながら手を振って答えていた。
「よろしくな、メグロ。」
「ああ。」
俺に対しても柔らかい笑みを向けてそう言って、手合いが始まった。
至近距離・近距離特化のナガイ。普通に考えて近距離での対決は分が悪いため距離を取って戦いたいが、距離を取って戦えるほど中距離以上の距離の魔法を俺は上手く扱えない。
だからと言って受け身の姿勢ではダメだ。どうにかして相手の裏をかいて不意をつく必要がある。
そう決意し、ナガイの懐めがけて駆け出すと同時に右手で魔法を1つ発動する。
発動したのは火属性魔法の中でも初級のファイア。しかしただ発動するだけではなく、右手の中で魔力を増大させてあえて魔法を不発にさせる。
その結果、俺の右手に残るのはファイアではなくただの黒煙となる。
その黒煙をナガイの足元めがけて投げつける。
黒煙はたちまちナガイの足元に広がり、すぐに彼の体全体を覆い隠した。
裏をかくか、はたまたその逆をつくのか。
それしか俺の脳内にはなかった。
(これが目くらましということはナガイも分かってる。あとは奴の背後を取るのか、背後を取られると予測した奴の裏をかいて真正面から突っ込むか。)
そう脳内で考えること0.5秒。
両手で火属性中級魔法プロミネンスと共に、無属性魔法ブーストを発動させ真正面から突っ込んだ。
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