後編
今日はあたしの部屋にルウムが泊まりにくる。お泊まり自体初めてではないけど、あたしたちが恋人になってからはじめてのお泊まりだ。
月がまんまるで、コオロギが鳴いている。
秋の、涼しくて情緒あるいい夜だ。
昼間はショッピングを楽しんだり、夕飯を食べたりした。相変わらずルウムは肉が好きで、またあたしの奢りで焼肉に行ったんだけど…。何か緊張して、いつもの1/3も食べられてないようだった。
家に着いて荷物を下ろす。
色とりどりのショッピングバッグにはあたしがルウムに選んだとっておきの洋服が詰まっていた。
「ねえ、ロボナ、今日はお洋服選んでくれてありがとう♪」
「ルウムは美人だからなんでも似合うからな。そんなに悩まなかったよ。」
もうこんな、女子同士ならお世辞に聞こえるような会話だって素直にできるのが嬉しい。
ーーー部屋に着いてしばらくそんな他愛のない話をしていると、ルウムがソワソワとしはじめる。あたしの姫煩いも、昨日から続いているから無理もない。
「…じゃ、そろそろふたりでシャワー浴びよっか」
「うん♪」
改めてお互いの気持ちを伝え合った後でお互いの、何も隠さない姿を見せるのはなんとなく恥ずかしい。
ルウムがふとあたしの股間に目を見やる。どこみてんだよ…。
あたしは普段から陰毛の部分は薄くなるように鋤いて手入れしている。自分で言うのもなんだけど、そうするとほんのりと地肌のピンク色が透けて少し色っぽく見えるから。…ここ最近は誰にも見せたりはしてないけど。
「なんだよ、ルウムの…全然手入れされてないじゃん」
ルウムからの視線が恥ずかしくてついぶっきらぼうに話を振ってしまう。
「だってわかんないんだもん…」
恥ずかしそうに、しゅんと耳が下がる。可愛いやつめ。
「最初だけあたしが教えてあげるよ」
そう言って、ルウムのもふもふとした股間を丹念にトリミングし始める。変な気分だ。
毛玉になってほどけない毛は仕方がないのでハサミで切るしかない。ルウムがハサミでカットされていくことを恥ずかしそうにしているがむしろここまで放置したずぼらさを恥ずべきなのではないだろうか…。くしが通るようになったら、丁寧にブラッシングをしていく。この時からルウムはいつものグルーミングのようにうっとりとした表情を浮かべている。まったく。こちらの気も知らないで。
ふわふわにブラッシングされた陰毛部分をあたしの愛用のトリミング用品で丁寧に鋤いていく。
「ルウム、少しだけ、足開ける?ごめん、ちょっとこのあたりの毛を」
す…と秘所をなでるとうっとりとしていたルウムが一瞬ぴくんとして、慌てて返事をする。
「あっ、うん、こんなとこまでするんだね…」
後々毛を巻き込んだりしたら痛いから、とは今は言えなかった。初めて目の当たりにする、好きな人の秘所にあたしの胸は高まる。おねがい、匂いは強くならないで、と心の奏で祈りながら。ルウムは陰毛も柔らかく、比較的楽に処理が終わった。処理中に触れた、ふに、ふに、としたやわらかな感触にくらくらとした。ルウムも、さすがにこの最中だけは顔を赤らめて、じぃっと自分の秘所が、整えられるのを見つめていた。
ーーーー
すっかり見違えるようにトリミングされたルウムのそこはうっすらピンク色を帯びていて、そこらのオスなんかがみたらすぐにでも餌食になってしまいそうなほど、そそるものだった。
二人で体を拭き合って、髪を乾かしたら、ベッドの上に腰掛ける。あたしは黙って、部屋の電気をすこし暗くした。
もうお互い、匂いでこのあとの展開は分かりきっていたから。
自然とマズル同士がくっつきあう。ルウムはゆっくりとキスをするのが好きなようで、今回も鼻をこすり合いながら、ゆっくりと唇へと近づけていく。
「んふ…ふぅ、ん、っ」
前回と違うのは舌を絡めてからだった。
ルウムが執拗にあたしの舌を求めてくる。
あたしも負けじとルウムの舌をねっとりと、でも優しく舐めては、唇を使いながら吸い上げる。そうすると、ルウムの体がびくっと動くのがわかる。
まだキスだけなのに。
じんじんとした独特の感覚と共に、秘所からはとろりとした体液が漏れ出てるのを自覚できるほどだ。
はじめてのことだからあたしからルウムをリードしようと思い、ゆっくり胸に指を這わせる。
「あっ…ロボナ」
「大丈夫だよ。リラックスして」
「…うん…」
ルウムの胸はCカップと控えめではあるが形が整っていて、まさにお椀型と言える。
そんな可愛い胸を包むようにたゆたゆと優しく揉みながら、期待からか可愛くまんまるに膨れ上がった果実の周辺を、わざとらしく指で撫で回す。
「あん…あっ はぅ… あっ」
ルウムのこんな声を聴いたらあたしもたまらなくなる。
もう少し焦らしたかったが自分が限界だった。
ぷっくり膨れたそれに触れた瞬間、ルウムが可愛い声を上げる。少しつまんでみたり、肉球の腹で転がしてみる。
「あっ あっ あっ」
息絶え絶えに続く色っぽいルウムの声。
「どう…?ルウム いたくない…?」
「ん…うぅ…きもち、いい…」
「よかった」
「!!」
はあはあとした息遣いのまま、突然ルウムがあたしを押し倒してくる。
「ルウム!?」
「わ、私もっ ロボナのこと…気持ちよくさせたいっ…」
そう言って、あたしの乳首をいきなり口に含む。
「ちょっ あぁ、ルウム……っ」
イヌ科の舌は柔らかくねっとりとしている。メスの舌を感じるのははじめてだが、ルウムがぎこちなく、でも優しくあたしの乳首を舐めてくれてるのがわかる。ちら、ちらとあたしの反応を見るもんだから恥ずかしくてつい片手で顔を隠す。
「っふぅ、んんっ」
好きな人に、こうされるのがこんなにも気持ちいいなんて、知らなかった…。強がりたい気持ちと裏腹に、情けない声が出てしまう。それを確認してからルウムは色々な舌使いであたしを攻めてくる。この仔意外とSかもしれない。
お互いの胸の愛撫を続け、気づいたらシーツにはシミができていた。
思いの外ルウムにやられてしまったため今度はあたしがすこし意地悪に聞いてみる。
「ねえ、ルウム 女の子だけが気持ちよくなれる場所、教えてあげようか」
「え…?」
そう言って、ゆっくりとルウムの胸からおなか、鼠蹊部にかけて撫でてゆき、先程トリミングしたばかりの秘所で手を止める。
「ここらへんなんだけど。」
「〜っ…いじわる。」
手を止めてるとルウムがじれったいと言わんばかりに腰を動かす。少しお腹はふくふくしてはいるがスタイルの良い彼女が自ら腰を動かす様をみて、あたしはごくり、と喉を鳴らしてしまった。
「にひひ、ごめんごめん。触るね…」
もっと下まで手を動かし、先ほどから濡れそぼってとどまることの知らない泉へとゆっくり指を進める。そこからトロリ、とルウムの透明な体液を掬って、少し上に主張している小さなピンク色の突起に塗りつけた。
「あっっ」
ルウムが大きな声を上げた。
「ここ、さ 女の子が気持ちよくなるためだけにあるんだよ。神様もえっちだと思わない…?」
トロトロと体液を塗りつけてはくるくると優しく撫で回すと、ルウムはあられもない声をあげて腰がビクンビクンと跳ね上がる。
「ロボナぁっ ロボナぁっ」
少しだけ、秘所を指で広げ、覆い被さってたものを避けてみる。充血したそこをあたしはねっとり、ひとときも指を離さずに刺激し続ける。
「あっはぁっ あぁっ ぁ ぁんっ!」
ルウムは腰を浮かせたり引いてみたり、顔を背けたりシーツを掴んだり、せわしない。そのまま刺激を受け続け、足が伸びて、体が一瞬強ばり、びくんっびくんっと跳ね上がると同時に声にならない声をあげて、絶頂を迎えてしまった。
「はぁ…はぁ…う、ううロボナぁ…」
まだすこしぴくつくからだと、落ち着かない息遣いで、顔を真っ赤にしてあたしを恨めしそうに見上げる。
可愛い。
「可愛かったよ」
「〜〜!!!もう!次はロボナの番なんだからね!」
そういっていきなりあの、狼の形の…モノを取り出した。ショッキングピンクの色をしたそれはシリコンでできているようで適度な弾力もありそれをルウムに…そういうふうにされると考えるだけであたしの胸は高鳴ってしまう…。あたし、こんなにMだっけ。
「ここでしょ?さっきされたからわかるもん…」
ルウムが指でぬちぬちとあたしのピンク色の突起に、同じようにあたしの体液を塗りつける。覚えが早い。清楚なふりして素質があるんじゃないだろうか。すこしばかり刺激が強いけどはじめてだから…というか、ルウムにそんな、普段は隠して誰にも見せない、触らせない秘密の花園をぐりぐりと弄られてると言う事実はあたしを興奮させるのには、十分だった。
自然と息が荒くなってくると、ルウムはぺろりと舌なめずりをして目を薄め、あたしの脚を持ち上げてぐっとひろげる。気づくとあたしはM字開脚の姿勢でルウムに見おろされている。やっぱりSだよこの仔!!
「こういうの、はじめてだから…ゆっくりいれるね。痛かったらすぐ言ってね」
「…あぁ…。」
もうルウムにされるがままだ。
そのショッキングピンクの物体がにちゅ、とあたしの秘所にあてがわれる。
そして入り口でぬちぬちと丹念に濡らされたあと、少しずつ、少しずつあたしのなかへ入ってきた。
…ここで少しの違和感を感じる。
「ルウム、ごめん、たぶんそれ、裏表反対…」
「え〜!?知らなかった…ごめんん…」
思わず笑ってしまう。せっかくのムードが台無しというか、なんというか、そういうところがルウムらしい。耳が垂れてしまった彼女をよしよしと宥めて続きをしてもらう。
ーーーー
あたしは男との経験があるから全然動じない、なんて思ってたのに、ゆっくりと挿入されるそれに酷く興奮してしまっていた。と、いうよりはルウムの手で、ルウムのペースで、この恥ずかしい格好を見られながら、一番大事な部分をあらわにして、そこにモノを挿入されている。それを自覚するほどに身体は火照り、身体中のあちこちが充血していく。
にゅるん…
「あぅっ」
最初の突っ掛かりを超えた時の快感で思わず声が漏れる。
「ロボナ…ここ?」
ルウムが確認するように、何度かあたしが反応した部分にモノを擦り付ける。
「あっあっそこだめっ」
狼としてはか細くて華奢な手に握られたそれで、あたしの弱いところを突いてくる。
ルウムの顔を見たくて、すこし無理をして顔を上げるとルウムも行為に熱中していて、顔が赤く、息が荒い。
それを見てますます感じてしまう。
「あのねロボナ…奥の方まで、いれても」
「あ、ああ…」
頼りない声で返事をすると、ルウムはもっと奥の方までにゅるにゅると突き進んでくる。
ぷちゅん、と奥に当たった。
「ここ…だよね?ロボナ?友達に教えてもらったところ…一番気持ちいいって…」
いったいこの仔の友達はどんなやつなんだ…
あたしはすっかり参ってしまい、ルウムにされるがまま、あん、あん、と恥ずかしい声をあげる。
狼の形のそれにはごていねいに亀頭球がついていて、奥の方まで入れられたときにはまるで、ルウムに、もう逃げられないからねと言われてるようだった。
ルウムがあたしの反応をしっかりと確認しながら、タイミングを掴んで的確にあたしの奥を突く。そのたびにぷちゅん、ぷちゅん、と卑猥な音が聞こえる。ああ、もうだめかもしれない。
「ルウムっ あたしもう…!」
「うん、気持ちよくなって…」
「っ…ん…はあっ…!!」
最後までペースを崩さずルウムが動いてくれたおかげであたしははじめて、玩具で…いや、ルウムの手で絶頂を迎えられた。
ずるり、と引き抜かれたモノは白く濁った体液がべったりと糸を引いている。
ルウムがそれを珍しそうに、興奮で潤んだ目で眺めている。あたしはもう目を覆いたくなってしまった。
ふたりでまたシャワーを軽く浴びて、部屋に戻ると、先程の行為がはっきりとわかるくらいの甘ったるい匂いがして恥ずかしくなる。
「すこし換気をしようか」
あたしは部屋を暗くしたまま窓を開けた。
虫の声が聴こえる。
満月が歪んで見えるのはあたしの瞳が潤んでるせいだ。同じようにルウムも月を見上げていた。横顔が、とても綺麗…。
そしてその横顔に見惚れていることに気づいた彼女はあたしの肩にそっと、よりかかる。風が吹き、ふわりと柔らかい髪の毛からシャンプーの香りがする。もちろんあたしと同じの。
嬉しくて思わず遠吠えをしてしまいそうな夜だった。そのかわりにあたしの瞳からは、先ほどから潤んでいた月がひとしずく流れ落ちた。
ガールズフットプリントーーあたしとあなたが繋がった日ーー その @sonopero
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ガールズフットプリントーーあたしとあなたが繋がった日ーーの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます