なかなか眠れない日が続く。
となりにいる人が手をそっと体に添えてくれるその、ぬくもりだけですごく安心する。のだけど。
絵を描くことを仕事にしてきて、遠い地へ引っ越してきて、それ自体は軌道に乗っている。だけど、ここ最近心ときめくものがないのだ。
若い頃にあったくだらない物欲とか、キラキラしたアクセサリー、キャラクターグッズやデバイス関係、そんなものに心躍る時間が確かにあった気がするのだけれど。
生活において必要なものはいいものを揃えたいと思うけれどそれ以外にときめきを感じる服も、物もなく。私の感性が徐々に衰え始めているのではないかとも感じる。
ただ、いま疲れてるだけかも知れないけれど。そようなきらびやかな街のなかをみていたって、なんとなく他人事のような、自分には縁がないな、という気持ちになってしまう。
ステンドグラスのランプに心が躍る時期があった。色とりどりのグラスの組み合わせに灯るひかりがあたたかく、夢のように感じたから。
私が一番そのようなものに心を動かされていたのは中学生の頃だっただろう。
そのころは国語の教科書に載っている詞から情景を想像しながら歩いて帰るのが、好きだった。
稚拙ながらも、見たり聞いたりしたことから空想を飛ばすことが好きだった。
もう30も過ぎた今 外に出て自然と触れ合うことがあっても子供の頃に想いを馳せるだけで、本当は当時のように純粋な心で外を見ていたいのに、頭は、抱えてるタスクが大半を占めている。これが大人になるっていうことか。なんだか寂しい。空虚な気持ちになる。
あぁ 何も考えなくていい世界で、ただただ夕焼けのグラデーションに感動して、月に照らされて、夜風に吹かれるそんな日々を過ごしていたい。難しいことは考えたくない。頭から消し去りたい。