殺戮オランウータン大賞という賞は、本来はミステリを募集する賞です。
しかしながら、実際に集まっていた作品群は「殺戮オランウータンさえ出ていれば何をやってもいい」というような様相となりました。
殺戮オランウータンとバトルを始める作品、SFを始める作品、パロディを始める作品、真面目にミステリを書く作品、殺戮オランウータンというパワーワードとインターネット・ミームの力は、逆に多様性を生む結果となったのです。
この作品はそうした闇鍋のごとき殺戮オランウータン大賞を、テンポ良くまとめて凝縮したような作品です。それはもちろんミステリ要素も。そうです、この作品はギリギリのところで「ミステリ」としても成立しているのです。
殺戮オランウータン大賞の闇鍋っぷりを手軽に楽しめる作品でした。