主人公の能力ができないことは一個もないんじゃないかというくらいの無敵能力なので最初はライトな無双系の小説だと思っていました。
正直、主人公が不合理な行動を取って「言っていることとやっていることが違う」とモヤモヤすることもありました。
ですが、だんだんと登場人物達の生々しい内面が深掘りされていくことで、主人公も人間的な不合理さと生々しく目を背けたくなるようなグロテスクな内面を持つ登場人物達の一人なのだと気づきました。
そこに気づいた瞬間、物語が何倍にも深くなったように感じ、それまでの文章もそこからの文章も昇華されてより面白く感じられるようになりました。
一見ライトな無双系小説に見えますが、実は奥深い心理描写が光る骨太ファンタジーです。
無双系が苦手な方にも是非一度読んでみてほしいです。