第46話 高校生の朝は早い

授業が始まって1週間が経ち、今日から学校が少しハードな日程になる。

私たちはみんな上の方のクラスに入った。そのため毎日HRの前に授業がある。さらにその前に小テストもあるため、時間にして朝7時半前には学校に着いておかなければならない。


それぞれ朝7時前に家を出てコンビニ前で集まり、みんなで自転車通学をすることになった。この時期は7時前でも明るいので良いが、冬になったらライトを点けて行かなければならないかもしれない。

学校に着いて自分の番号の所に自転車を停め、5人並んで正門をくぐって教室へ。着いたら話す間もなく直ぐに小テストをクリアするための最後の足掻きに入る。7割取らなければ再テストになってしまうので何とか回避しようと頑張ったが、それでも2週間に1度くらいは再テストになってしまっていた。

放課後は部活動未加入の生徒限定で1コマ授業か自習の時間があった。私の高校生活は1日7コマ+前後で2コマとなり、いきなり合計9コマのハードワークだった。

月曜日だけは朝も放課後も休みなので随分気が楽だった。


こんな生活が続いて1ヶ月で体調が不安定になりつつあったが、週3回は必ずみんなで運動していたので何とか健康が保たれていた。

というのも入学前の最後の足掻きの運動が効いて、入学時の私たちはかなりスリムな体型になっていたし、それなりの体力も取り戻していた。

おかげで身体測定ではみんなで男子顔負けの記録を叩き出すことに成功した。

ブレザーと短めのスカートに慣れてきたGW前には夏服の購入申し込みがあった。夏服は全く同じ柄の夏生地スカートに開襟ブラウスを着て、その上から白地にラインとエンブレムが付いた薄手のベストを着る。靴下も普段の紺から白に変わる。簡素で涼しく着心地が良いが、それでも制服としてしっかり引き締まっていた。

朝早い生活に慣れてきた頃のGWは毎日早起きに成功した。家族で動物園にも出かけたし、1日だけみんなでお出かけしたし、大量の宿題も消化して充実していた。ある意味ハードな高校生活の恩恵だったかもしれない。


GWが開けると制服移行期間に入る。

と言ってもまだ夏服が手元に無かったのでしばらくは中間服で通った。中間服は単純に冬服のブレザーを脱いだ状態だ。

移行期間に入れば私を含めて、クラス全員どころか学校中のほぼ全員の女子が中間服に様変わりしていて面白かった。


月曜日になり、5人全員中間服で自転車にまたがって学校に通う。

月曜日は朝が早くないし、小テストのプレッシャーもないので随分気が楽だ。みんなでゆったりおしゃべりしながら通った。

私たちの、ちょっとだけ朝が早いだけの新しい日常だ。

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