第4話 夏服

GW、体育祭と時は流れ、6月に入る頃には半袖の夏服を着ていた。夏服はセーラー服ではなく、ブラウスの上から紺地に青いチェックの入ったギンガムのジャンパースカートを着るものであった。

この時の3年生、つまり2世代上まではコレが水色のジャンパースカートであったが、冬用と同じ構造のため動きづらかったことや暑かったことから不満の声があり、昨年から変わった。

そのため冬用と違って、ウエスト部分まで脇が空いている。おかげでかなり涼しかった。

スカートは冬は地獄を見るが、夏はやはり快適である。

中間服はというと、夏冬どちらかのジャンパースカートに半袖長袖ブラウスのどちらかを組み合わせればよかったため自由度が高かった。私は暑がりだったので、移行期間に入ってすぐさま夏用に半袖ブラウスの完全な夏服へ変えた。夏から冬への移行期間にもギリギリまで夏服を着用した。


一方で、あの日から切ることのなかった髪はどんどん伸び、長めのボブになっていた。まだまだ結ぶような長さにはなかったが、このペースだとおそらく次にセーラー服を着る頃には結ばなければならない。


部活では夏の大会準決勝で惜しくも敗退し、最後の水色スカート世代の先輩達が引退した。部活動の練習には制服と運動着どちらで行っても良かったのだが、私は毎日制服で行った。逆に私以外は誰も制服で来なかったが、特別何か言われるようなことは無かった。

母はそんな私のために夏服の2着目を買ってきてくれた。同じブランドの同じサイズのため識別がつかず、母がタグに手縫いで1.2と番号を刺繍してくれた。


組み合わせるブラウスの襟の形状も完全に自由であった。開襟、角襟、丸襟、カッターシャツといった具合だ。

私は制服屋さんのマネキンに着せられた丸襟に一目惚れし、常に丸襟のものを着た。

カッターシャツと丸襟角襟はボタンの高さが異なる。丸襟の方が第二ボタンが低いため、第1ボタンを開けると胸元が見えてしまう。そのため丸襟角襟は第1ボタンを開けてはならないと校則で決まっていた。ブラジャーを付けていた訳ではなかったためこの点は気にしなかったが、綺麗な丸襟が好きだったので決して着崩すことはなかった。

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