4.2 メモ用紙

 僕がノートのページをめくると、手のひらサイズのメモ用紙が一枚ひらりとソファーの上に落ちた。手に取ってみると、シンプルなリストが書かれていた。



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 (1)お姉ちゃんの結婚式


 (2)私の誕生日 お母さんとお父さん


 (3)クリスマス


 (4)お正月


 (5)旅行 ハル


 (6)スペア


 (7)スペア


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 これって……。


 ふと顔を上げると、ちょうど児玉さんが紙パックに入った飲み物を持って、学習コーナーに戻ってきたところだった。


「ただいま」

「おかえりなさい」

「どうぞ」


 児玉さんが差し出してきたのは、甘そうなレモンティーだった。


「ありがとうございます」

「珍しいわよね。図書館で飲み物OKなんて……」


 児玉さんの言葉を遮るようにして、僕はメモ用紙を児玉さんに向けて見せた。


「あの……」


 児玉さんが、僕の手元にあるメモ用紙に視線を落とす。


「あぁ、そのメモまだ残ってたのね」

「このメモって……」

「きっと、一葉くんの想像どおりよ」


 児玉さんはスマホのバイブに反応して、「ちょっとごめんなさい」と言って席を外した。


 僕はレモンティーのパックにストローをさすと少しだけ飲んで、すぐにノートに視線を戻した。

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