193皿目 メンチカツ

 多分ものすごくローカルなメンチカツ。


 メンチカツと言えば皆さんはどんな想像をするだろうか。カリっとした衣の中に詰まった玉ねぎとひき肉。あふれる肉汁。そしてソースとのマリアージュ。こんなところだろうか。

 自分が実家で「メンチカツだよ」と言われて食べていたものは「揚げ物」であるところくらいしかかぶっていなかった。


 いわゆるメンチカツ同様丸い形をしているが、もっと平べったい。そして中身は白い。魚のすり身なのだ。これに葉物野菜や人参のかけらが入っていてちょっとした彩りになっている。これをオーブントースターで衣がカリカリになるように焼いて、醤油を垂らして食べると旨い。

 最近、母とこの「メンチカツ」について話したのだが、地元スーパーで本当に「メンチカツ」の名で販売されているとのことだ。地元を出てから(と言ってもそこまで遠方に住んでいるわけではないのだが)見たことがないと話したら母はびっくりしていた。以前の「油揚げの煮つけ」の時の分厚い油揚げ同様、ローカル商品なのだろう。メンチカツって言ってあれが出てきたら、多分ふつうの人は困惑する。


 後日同郷の友人に確認したところ、それらしき食べ物は知っているがメンチカツとは呼ばないと言われた。あれ……?

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