183皿目 塩マス

 塩鮭売り場に鮭がなかった。


 たまに行く格安のスーパーで、普段塩鮭をばら売りしているコーナーで違和感を覚えた。積まれている切り身、どれもこれも色味が薄いのだ。よくよく見れば売り場には「塩マス」の文字。鮭じゃなかった。

 先日生のマスを買って調理はしてみたが、塩マスっていうとどんな感じだろう。好奇心と、生から調理した時美味しかったマスへの信頼で2切れ購入。フライパンに「くっつかないシート」を敷き、少し水を垂らして蓋をし、弱火で蒸し焼きにする。火を通せばなおさら色は薄い。紅鮭なんかだったら鮮烈に赤いのが、儚げな桜色をしている。かわいい。


 売り場の表記は甘塩となっていたが、なんだかんだ言ってしっかり味がついている。だいたい鮭だけれど、ちょっぴり鮭じゃない。以前マスを買ったときにも思ったが、なんだか不思議な感じだ。実際鮭とマスの境目は結構あいまいだとか、視点によって違うとか、そういうのを見たことあるから多分親戚筋なのだろう。すじこも鮭子とます子が流通しているし。

 皮もぱりぱりに焼いて食べた。こちらは鮭と変わらぬ味わい。皮だけ焼くときは、身についてたほうを下にして焼くといいらしいですよ(うろおぼえ)。

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