130皿目 辛口バターコーン

 甘さを押し出さないバターコーンがあったっていいじゃない。


 そりゃあ甘いバターコーンはうまい。バターと塩の優しげあるしょっぱさがコーンの甘みを引き立てる。焼肉食べ放題のサイドメニューにあったら是非お願いしたい。

 でも今日は違う切り口でやってみよう。


 コーンは缶詰を使う。冷凍のほうが楽なのだが、奴らはメーカーによって味にばらつきが強い気がする。缶詰だとそうでもない気がする。あくまで「気がする」なのだが、一人で料理をするときに験を担ぐのもたまにはいいだろう。ということで、1~2日以内に食べきる自信がるときには缶詰コーンを使っている。

 バターと言いつついつも恒例のマーガリンをフライパンにたっぷり溶かし、汁気を切ったコーンを投入する。よく炒めたら軽く、というにはちょっと多いくらいの塩をして、今回のキモ、あらびき黒コショウをぱらぱらと。こうやってなんにでも使うので、我が家のあらびき黒コショウの減りはおそらくよそんちよりも早い。


 つまんで食べると、まずはトウモロコシとコショウの香り、次いで塩味が追っかけてくる。マーガリンの風味はそんなでもない。すぐ飲み込まずによく噛むと、「じわ」っとコーンの甘みが塩気と辛味の間からこっそり顔を出してくる。悪くない。心のお品書きに追加した。

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