5皿目 ニョッキ
胸の内で半ば伝説上の食べ物となっていたもの。
小さいころ、親戚が連れて行ってくれたイタリア料理店で出てきて、すっごくおいしかったのを覚えている。だがそれ以降食べる機会に何となく恵まれず、下手したら20年くらい経ってしまったかもしれない。これ以上神格化が進むと、いっそ一生食べないほうがいいのではないかと思っていたところ、母から「ニョッキ作りなよ。おいしいよ」という電話が来た。
今しかない。
早速ジャガイモを購入し、レンチンしてマッシュ、粉類を混ぜて茹で……と
我ながら破竹の勢いでこなし、こうして再びニョッキに相まみえることができた。冷凍エビがあったのでそれと、彩にパセリもあしらった。味付けは今を時めくガーリックバターソース様である。黒コショウもちょっとふる。
いざ実食。
もちろんプロにはかなわないし、あの日の思い出も美化されているだろうからどんなもんだろうと思いつつおっかなびっくり食べた。
旨い。
もともとああいう食感が好きで好きでたまらないのだ。歯ごたえもありつつむちっと柔らかい、そんなのが。
酒のあてにしようと思ったのだが、酒を忘れて食べきってしまった。
もう1回作らなくちゃ。
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