五
時間は勝手に流れ行くもの。そして気がつけば、もう夏を迎えようとしていた。
明日から夏休みに入る。夏休み前テストで赤点だったやつは補習のために、明日からも学校は続くようだが、僕は普通に休みを迎える。課題もほぼ終わっている。おおよその範囲を既に終わらせていたからだ。
「明日も俺学校だよ〜…」
そう嘆く拓海に、それは自業自得であることを伝える。暫く突っ伏して唸っていた拓海だが、お前はどうなのかと問うてきた。
「テストなんて、授業さえ受けてれば何も難しくない」
「それが出来てない奴がいるんだよ…」
原因が寝ていることなのは明白だろうに。
拓海が悲しみの補習を受けている中、僕はというと日課をこなしつつ、ただひたすらに時間を浪費していた。することがないのだ。
課題は終わってしまった。授業なんてないから、次の試験対策をしようにも出来ない。
―――さて、何をするか。
ベッドに寝転がる。携帯を取り出し、友達一覧を見ても家族を除けば拓海だけ。その拓海は今頃補習だろう。本でも読むか?しかし本棚の本は粗方読破してしまった。
時を刻む音だけが、この部屋に響く。
今頃彼女らはどうしているだろうか。
彼女らというのは、去年の夏に出会った三人である。僕が中学一年ならば、彼女らは中学三年だろう。ということは、高校受験に備えて勉学に励んでいる頃だろうか。などと、ヒカリ達のことについて考えていた。
8月15日の夜、キミとここでキスをする Racq @Racq_6640
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