第三話
「おい! 硬貨だけ
「断る」
ねっちとした笑みを浮かべる、シエン。
ぱっくりと大きく口を開け、目が点になる、エックス。
「断わんな! 換金が必要な金目の物は、あと、あと、面倒くさいことに巻き込まれる可能性が高いって、説明したや、ろ!」
「ぷい」
このアマぁ――グーで、ド
エックスとシエンは肢体損壊された、元、人間であった。者たちが所持している袋を一つ、一つ、ひっくり返していた。そこからは各種装飾品、そして、硬貨。が地面に落ち鳴る。
そこから硬貨だけを拾う作業していた。
「面倒くさいなぁー。全部貰って、売ればいいのに」
気だるい度、MAX表情で。装飾品だけ、邪魔とばかりに指で、勢いよく弾き飛ばしていく。
その弾き飛ばされている先で、キン、コン、カン、と音がする。いま、自身を護るために起動させている電磁装甲が、放電衝撃を飛ばしながら自動迎撃を背後でしているからであった。
硬貨を一枚拾うと、一閃し、うんざりした顔に影が生まれ。もう一枚、硬貨を拾うと、もう一閃し、うんざりした顔に、もう一度、影が生まれる。
さすがに無視して、もく、もく、と。地面に落ちている硬貨を拾っていた、エックスだ、が。
稲光の回数が一桁を軽く超えて二桁に突入し、大台の三桁に迫ってきたあたりから、頬肉が引き攣りだしていたのであった。
…………ゆらりと、立ち上がると。
「だ~ぁ~! 鬱陶しい、わ。や、め、れ!」
イラ、イラ、を溜め込んでいた。フラストレーション、爆発、激しいオカン口調で、キレる――エックス。
電磁装甲に搭載してある自動迎撃システムが危険と判断するほどの殺傷力で、装飾品が飛んで来ていることに、対しての怒りで、なく。
放電衝撃で一閃する、ピカ、チカ、ピカ、チカ、が目障りでしか、なかった。のであった。
「だって~」
ブスッとした不満な抑えるどころか。包み隠さずにさらけ出して、いる――シエン。
「だっても、ヘチマもあらへん! 硬貨だけ、黙って拾うだけの単純作業も、でけへんのか?
「でも、さ、エックス。ここにある硬貨、全てよりも。だんぜん、装飾品の方が金になるって」
シエンの発言は正論であった。
元、人間だった肉塊たちの遺留品のなかで、一番、お金になるのは。たしかに、貴金属たちだった、からである。
エックスは、かぶりを振ると。
「じぶんが言ってることは、正しい。が、正しいことに、問題があるんや。今回の場合は、な」
無数に落ちている、貴金属を凝視しながら。
「これが。正規ルートで
パチリと瞬きをし、装飾品を掴み持ち上げながら。シエンが、
「盗難品、だからでしょ」
「そのとおり、や。出どころ不明なモンには、触らぬ神に祟りなし。って、こっちゃ」
長いまつ毛に
「エックス。あなたが出入りしている、
「…………、ブラック・マーケットか……。ここが、どこ、によりよるな」
「これ、」
銀色のクリップで止めてある、数十枚の紙をエックスへと投げる。
器用に人差し指と中指で挟み受け取ると。その紙には、数字と文字が印刷されていた。
「――ジッグラト――――紙幣」
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神神の微笑。敵の敵は 八五三(はちごさん) @futatsume358
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