閑話5 文化祭/3(一日目後半・二日目)



〜一日目後半〜


《遥希side》


平「くっ、なぜあの時

 じゃんけんに負けてしまったのか…

 女装か…はぁぁ…」


平松が執事服で俯いている。

ここは一つ、煽ってやろう。


遥「どんまーい」


平「貴様ァァァッ」


おっと、ヒートアップさせちまったか?


まぁ元気は出たみたいだな。


あんなしょぼくれた顔じゃいくら美形でも

客が逃げちまうしな。


針「嗚呼…その気持ち、大いにわかるよ平松…

 だって俺もコスプレ役だから」


すまん、俺じゃなくてホッとしたわ。


平&針「「はぁぁ…」」


そういえば…


遥「前半さ、蓮と浜田…女子もだけど

 めちゃくちゃ写真撮られてたよなぁ」


ぶっちゃけ俺も蓮に内緒で数枚撮った。


針「傷口に塩を塗りたくってんじゃねぇぇえ」


お、晴美が来た。


晴「女装に比べたら、男装はまだマシですね」


晴美もコスプレメイドと執事やるんだったな。


平「ああ、本当に君達女子が心から羨ましい」


そんな切望しなくても。


晴「とはいえ私もコスプレ役は緊張します」


ま、だろうな。


小「私もよ〜。まぁでも、心持ち的には

 メイド服の方が恥ずかしいかしら」


…そうなのか?


晴「た、確かに…」


とりあえず、俺も頑張らなくちゃな。


遥「まあ、俺は裏方に徹するとするよ」


平「お前…よくそんな事言えたな」


え?あ、あのー…顔が…


針「ほんとによお。お前、

 カウンターのドリンク係だろ。

 目立つ所だからお前もかっこいい服

 だ け 着るくせに」


申し訳ないっす。


ここでちょっと反抗心が生まれてしまった。


遥「羨ましいか?ん?」


言っちまったな。


針「ちきしょーーーーーーっっ(血涙)」


こ、声がでかい…


佐「おい、お前ら配置つけよ」


正に助け舟だな。救われたわ。


遥「オッケー」






〜開店〜


うっわ何あいつら、ちょっと怖…いやすげえ。


営業モードとでも言うのだろうか?


笑みのひとつも崩さない。


だが目に生気がない。


客は気づいて無いみたいだが…

っと、エスプレッソの注文だ。


遥「…よっと、お待ちどうさま」


因みに俺は執事服ではなくバーテンダーの姿。


結構かっこいいので気に入っている。


ん?あのすらっとした長髪のイケメンは…

うん、蓮だ。


「来たで、ハルくん」


遥「おう、蓮。誰かに席案内してもらえ」


「うん」


遥「和田も一緒なんだな」


和「もちろんだよー。

 それにお腹もちょっと減ったしね。

 僕らは二人でアップルパイを頼むよ」


「飲み物は…俺は、アイスココアで」


和「僕ファン◯〜」


遥「オッケー」


そうしてカウンターを離れて、

テーブルに行く2人。


ちなみにだがアップルパイは蓮直伝だ。


教えて貰ってた女子達が沸いていた。


直ぐに運ばれたパイとドリンクに

二人は手を合わせる。


ココアを飲み込んで

こくり、こくりと蓮の小さな喉が動く。


ぱくり、ぱくりと控えめに口に含んで

幸せそうに顔を綻ばせる蓮と、

もぐもぐと勢いよくたべる和田。


なんか癒されるわ〜、主に蓮に。






〜翌日〜 


《主人公side》家にて


「今日は後半から、ハルくんと一緒に仕事やな」


前半中は、ハルくんと美幸と一緒に回るんや。


最終日、大地さん達も来るらしい。


ミスターコンは別に見られてもええんやけど、

女装はあんまり見られたく無いなぁ…


気まずいし…


まぁ、今は目先の事に気を向けよか。


せっかく初めての文化祭、楽しまんとな。


中学生の時は近所でやっとっても

家から離れられへんかったし。


一般人もいっぱいおるんやから

ちっとばかし恥ずかしいけどな。


顔を洗い、着替える。


美幸の格好も整えて、髪を結ぶ。


うん、俺のセンスが壊滅的やなければ

お洒落な二人になったやろ。


最後に珍しく俺の髪を編み込んでみて、


「ええな」


ということで時間やしレッツゴー。







委員会の方々が作ったかっこいい門をくぐって

普段とは違う装いの学校にくりだす。


美「にぃに〜美幸な、そういえば

 にぃにの学校くんの初めてやったで」


「そういえば、そうやったなぁ。

 どうや?俺の行っとる学校」


美「えぇと…楽しそう」


「あはは。せやな、めっちゃ楽しそうや。

 お祭りみたい」


中庭の広場で待ち合わせって言うたあるから

そこで待っとけばハルくん来るはず…


て思うたら、すでに来とった。


「あ、ハルくん!ごめん、待たせてもうた?」


遥「いや、全然?今来たとこさ」


ハルくんもかっこええな、服装。




〜※付近の人の心中〜


(え、子連れの家族?若っっ)

(美男美女…ん?あれ、男の子?)

(家族なら待ち合わせとかしなくね?)

(確かにそうだな)

(イケメン…)

(兄妹なのかしら?)

(羨ましい)

(そこ変われスポーティイケメンッ)

(脳内リア充爆破スイッチ連打ァァアア)


遥「さ、行こうぜ。どっから周る?」


「ん〜、せやねぇ…」


遥「うぉ、三年生すげぇ。

 カジノとかウォータースライダーとかしてる」


美「美幸な、射撃やってみたいねん!」


「お、射撃か。ええなぁ」


遥「一番近い射的は二年六組の

 縁日風屋台群だな」


「凄い名前してんなぁ」


美「縁日だけでええと思うけど…」


遥「ま、行ってみようぜ」


「「おー」」






「結構賑わっとるで」


美「せやなあ」


遥「お、射的あるじゃん。やってみようぜ」


美「やるやるー!」


「俺もやってみよかな」


遥「なら俺もやる」


「すいません、三人分お願いします」


看板に書いてある料金を払って、


店員「あいよーっ」


コルク弾五発と銃をもらう。


「美幸、弾込める前にコッキングレバー

 引いた方が威力でんねんて」


美「ほへぇ〜」


遥「俺も初めて知ったぞそれ」


かくして、射的は始まった。


遥「まず俺からいくぜぇ」

片手で軽く、格好良く構えるハルくん。



ポンっと音がして、コトンと駄菓子が落ちる。


店員・美・蓮「「「おお〜」


パチパチパチパチ。


遥「へ、どんなもんよ」


「じゃあ、俺もやったるで。

 大きめのこれ狙ったる」


なんかキャラの柄が入ったマグカップとか

目覚まし時計とか、

結構豪華な商品と交換できる的。



比較的重そうな箱で、一発で取れるとは

到底思われへんけど。


一発目、ポンっと撃って箱上部にあたり、

奥に倒れ込んだ。


これで、底部分に当てたら落ちるはずや…


弾を込めて、照準をあわせて、


…打った。当たった。



棚の端っこで、ぐらりと揺れる箱。



ゴクリと、店員さんが唾を飲む。



ボトッと音を立てて箱は落ちた。


からんからんからら〜ん


ベルを鳴らし、祝福する店員さん。


店員「おめでとうございま〜す。

 B賞交換箱ゲットでーす!」


「いぇーい」


美「にぃに凄い!美幸もやる!」


結局その後、俺はそれ以上もらうのもなんやし

好きな駄菓子ひとつ当てて終わり、

ハルくんは全弾駄菓子に当てたんやけど

そのうち1個は棚から落ちへんかった。


美幸は三つ程駄菓子をとっとった。


美「楽しかった〜!」


「そらよかった」


遥「なぁなぁ、俺行ってみたいとこあんだけど…

 このアスレチックタイムアタックってやつ!

 良いか?」


「勿論やでハルくん。俺は見とく」


遥「…すまん」


「なんの、ハルくん楽しそうやったら

 俺も楽しいで?」


遥「それなら良かったけど…」


「さ、行こや」


美「うん!」



『うおお、速い!速いぞ鶴崎選手ーーッ』


『いいペースですね』


『壁蹴りに雲梯に立ちはだかる壁、

 如何なる障害もものともしていません!』


『しかし、息が切れてきたようです』


『達成まで後わずか!今、今、今…

 ゴーーールーッ』


『タイムはどうでしょう』


実況者二人の解説に観客は面白いぞってな感じに

笑ったりヤジを飛ばしたり歓声をあげとる。


『(ドラムロール………)出ました!

 おおっ!3分27秒〜!』


『かなり速いですね』


おお、すごいなハルくん。


『現時点での順位は……

 なんと一年生にして

 全選手内二位です!』


『素晴らしい戦績ですね』


『素晴らしい走破を見せてくれた鶴崎選手に

 暖かい拍手をお送りください』


ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱち…


遥「おう、やったぜ、蓮!」


「速かったで、ハルくん。お疲れさん!」


遥「ああ。楽しかった、かなり」


「わぷっ」


芝生に俺を抱き込み寝転がるハルくん。


「息荒うなっとんなぁ。

 お疲れさん、ハルくん」


遥「おう!はぁ、疲れたけどさ、

 やり切った感あるわ」


そら良かった。


でもな、息がくすぐったいし

抱きしめられとるからちっと恥ずかしい。


嫌やないし、寧ろ嬉しいけど。美幸もおるし。

次、どこ行こかな?


周囲の視線が刺さる中、恥ずかし紛れに

別の事を考えていたのだった。










俺ら三人は次に

美術部の作ったガチャガチャカプセルの

巨大モザイクアートを見に行っとった。


「「「ほぁぁー……」」」


聳え立つカプセルの富嶽三十六景。


近くで見たらなんのこっちゃわからんねんけど

遠くから見たらかなり完成度高い。


「すごいなぁ、これ…」


遥「ああ、すげえ。

 どんだけ時間かけたんだろ…」


美「この絵、美幸、見たことあるー……」



「お、各クラブのグッズなんてあるで。

 そういえば、やったなぁ」


遥「どれどれ…へぇ、市販のやつと

 美術部作成のやつと各クラブオリジナル。

 3種類あるんだな」


美「カッコいい」


「ほらこの放送部のバッジ、

 俺描いたんやで?晴美ちゃんに

 手伝うてもろたけど」


美「これにぃに描いたんや」


遥「そういや、放送部の先輩方にイラスト権

 譲られてたな、ははは」


「体よく押し付けられたともいうんやで」


遥「しってる」


「ま、いくつか買っとこ。

 すみませーん。放送部のこれください。

 あと、男子テニス部のこれも。

 それと、これ五つ」


店員「ありがとうございます。

  全部で千二百円です」


「はい」


店員「…丁度で。ありがとうございました」


遥「お、買ってきたな。記念用にか?」


「そ。それと、プレゼント。はい」


遥「え?お、俺にか」


「五人お揃いが欲しくてな。受け取ってぇな」


遥「おお…嬉しいよ。ありがとな、蓮」


「うん。勿論、美幸のもあるでな」


美「ありがとうにぃに!」



一応今現時点で溜め込んでる分は

全部投稿しました。

テスト期間なので、大分期間が開きます。

それに成績が悪ければ

もう書けないかもしれません。

期待せずに待っててください。



    ===============

    〜重要なお知らせ〜

    ===============

今年、私って受験生でして…

高校入学までこの小説の更新は

やめることになります。

今なお読み続けてもらっている読者の皆様には

大変申し訳ないのですが

大分と間を開けることとなりましょうが、

気長に待っていてくださるととても嬉しいです。


6/25 追伸

やばいです。入学自体はできたものの、

ストーリーの構想が思い出せません。

思い出す&書きたくなるまで

待っててください。

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