第17話 五人でご飯 後編



これからは蓮と美幸の時以外の

キャラが複数出る場合、名前の頭文字入れます。


「そういや、結局どっちなったん?」


遥「おう、

 マユ...じゃなかった。

 レンが仕事中だったから言えてなかったけど

 焼肉屋になったぞ!」


「おぉ、なんて店なん?」

 

遥「奮発して、空兎亭」


晴「私も蓮くん達のお陰か

 仕事が結構来まして」


結「同じく...ではないんだけど

 私は大学の合格祝いも兼ねてね」


遥「俺は単純に先行きが良いからだな」


美「美幸は...なんやろ?」


結「あはは、

 小五になったお祝いなんてどうかな?」


美「結衣ねぇ、それ良い」


「俺も、Vの方結構良い感じやしなぁ」


晴「今日はパーっと行きましょう!」


美「ぱーっと!」


「あかん、可愛くて死ねそう。

 そんで晴美ちゃんが珍しく

 ハイテンションやね」


晴「仕事が沢山来て、嬉しいんですよー」


「そりゃあよかった」


晴「でしょ〜、蓮くん」


美「はるねぇ、めっちゃ絵上手やもん」


遥「この三年でどんどん絵上手く

 なってったもんなぁ」


晴「えへへ、

 みんなにそう言われると嬉しいですね」


結「ほんとだよー。晴美、

 めきめき上達していってたもんね」


「好きな事を仕事にできるのは、

 ええ事やでな」


晴「勿論!今は毎日絵をかけて楽しいですよ」


美「ええなーみんな。

 美幸は将来何すんねやろ」


「美幸、

 それはたっぷり時間かけて悩んだら良え」


結果的に今楽しいけど、俺にVが合わんかっても

俺はお金の為にやっとったと思う。


そんな事にはなって欲しないからな。


そんな感じに楽しく会話してると着いた、

空兎亭。


遥・晴・美「「「着いたーっ」」」

結・蓮「「あはは」」


ここが世に聞く空兎亭かぁ。


なんというか、和風おしゃれな雰囲気が凄い。


曇りガラス格子の引き戸を開き、

(俺は)和風で綺麗な雰囲気の店内に慄く。


「ほぁ〜...」


結「すみません、五名で予約してた寺浜です」


店「大人四名、子供一名ですね。

 席にご案内いたします」




何気ない雰囲気で礼儀正しくある店員さんだが、

内心はなんか凄いことになっていた。


(美男美女!なんだこのリア充さん達は!!

 羨ましい!そしてこの子!可愛い!!!

 顔つきは彼に似てるけど、母親は誰なの!?

 もしかして、男手一つで...!?

 いや、兄妹という線も)


他の店員さん達も例に漏れずだ。




ここは...すごいなぁ、個室か。


入り口で靴を脱げるん?はー、和風でかっこよ。


畳が敷かれ、地面に穴を開け足を入れれる形に

なっとる。


そのテーブルの上には炭火と金網がある。


なんか卓上の囲炉裏みたいやね。


もうそこかしこから

高級感が溢れ出て来とるわ。


案内してくれた人が炭火に火をつけてから、

店「ご注文がお決まりになりましたら、

 改めてお呼び下さい」

と部屋を去る。


「凄いなぁ」


結「ねー。高級感が」


遥「美味しそうな匂いがぷんぷんしててもう

 腹空いてたまんねーよ」


晴「ですね、早く注文しちゃいましょう」


美「美幸楽しみ!めっちゃ美味しそう」


結「あーもう、可愛いなぁ美幸ちゃんは」


美「えへへー」


結・遥・晴「「「はうっ」」」


「...席座らん?」


結「こほん、そうだね」







晴「コースとか食べ放題にした方が

 お得らしいけど、どうします?」


遥「いいじゃん。懐も潤ってる事だし、

 一番上の食べ放題いっちまおうぜ」


結「そうだね!パーってやっちゃおう」


美「パーっと!やな!」


「あはは、そうしよか。じゃあ、

 店員さん呼ぶで?」


皆「「「「はーい」」」」」





店「お待たせいたしました、

 ご注文がお決まりになりましたでしょうか」


「はい、大人四人分の食べ放題

 子供一人分の食べ放題でお願いします」


店「お飲み物はいかがいたしましょう」


遥「んじゃあ、俺メロンソーダで」


結「私コーラでお願いします」


晴「私は...ジンジャーエールで」


美「美幸アップルジュース〜」


「じゃあ僕は...烏龍茶でお願いします」


店「承りました。ご注文は何にいたしますか?」


「これと、これで」


店「六種類のお肉盛りと旬の野菜盛りですね。

 では、少々お待ちください」





結「はー、期待で頭が

 おかしくなりそうだよー」


晴「そういえば、

 おふたりのチャンネルみてますよ」


結「あっ、私も私もー」


遥「おっ、まじで!?ありがとーよ!」


「ありがたいけど...あれを見られるのも

 やっぱ恥ずかしいでなー」


美「美幸もみてるー」


結「あはは、本当に女の子って言われても

 絶対わからない声してるもんねー!

 男の子の声にも聞こえるんだけど」


晴「おふたりのアバター、我ながらとても

 良い出来だと自負してます」


遥「おう、あれすっげーイケメンで

 カッコいいよな」


美「ハルにぃのやつもかっこいいやんな〜」


遥「だろ?あとコメントとかで、

 マユキさんと家族設定ありますか?とか

 マユキさんの性別って

 本当の所どっちですか?とか

 絵師さん同じですよねーっとか。

 最後の以外答えてないけど

 疑問は尽きねぇみたいで

 評価も高ぇんだよな」


「へー、そんな事になっとんねんな。

 うちの視聴者さん達は皆優しい人ばっかやで」


遥「でも気をつけろよ?アンチとか」


「ん、おおきに」





店「お待たせいたしました。

 お飲み物と、ご注文の品でございます」


結「おお〜、ありがとうございます」


晴「ありがとうございます。さっ、

 焼いちゃいましょう」


「はいはい、今焼くでな」


遥「おう、たのむわ」


各種の肉をそれぞれ焼いていく。


野菜も金網にのせ、いい匂いを漂わせる。


美「美味しそー」


遥「はー」


結「いい匂い〜」


晴「ですねー」

数分後...


「第一陣、焼き上がったでー」


一同「「「「おー!いただきます!!」」」」」


そこからは楽しかった。

美味しいお肉を思う存分頬張って、

会話に花を咲かせる。


途中でお腹いっぱいになってもた俺は、

調理係に専念。会話しながら、

小さい肉を時折口に含んだ。


今度どっか行きたいとか、

また今度ゲームで勝負しようぜとか、

この映画面白そうとか、

今後の事だとか、どんな事やりたいとか。

勿論のことご飯のおいしさについてとか。


そういういつも通りな楽しさをもって、

焼肉を楽しんだ。


店「ありがとうございました。

 またのご来店を」


遥「ふあー、食った食った」


結「くう、食べ過ぎちゃったかも」


晴「美味しかったもんねぇ」


「また何かあったら来たいなぁ」

沢山ご飯を食べて美幸は少し眠そうや。

車の中でにいったら寝かせてあげよか。


遥「美幸ちゃん、眠そうだな」


結「そうだねー。美幸ちゃんのためにも、

 早く帰ろっか」


「おおきに」


沢山楽しんで少し上気した肌に外の涼しい風が

心地良え。


夜景も綺麗やしな。


車に乗り込んで、

美幸の頭を膝の上に乗して寝かせる。


俺が着とった上着を布団がわりにして、

気持ちよさそうに眠る美幸。


美幸の口にかかった髪をのけて、


...一つ自分でも何かわからない安心感を得る。


帰った後は、もう夜も遅いしお風呂は明日入ろか。


美幸をベッドに運ぶんはハルくんに

手伝うてもらえるかな?


そんな事を考えていたら...


美幸に続いて、俺も眠っとった。






《遥希side》

「...レンも寝ちまったな」


自分の肩に寄りかかって眠る友達の顔を眺める。

首筋に垂れかかるレンの長髪が少し擽ったい。


晴「二人とも可愛い寝顔ですね...」


そう言って蓮の頬をつっつく晴美。


結「晴美、蓮くん起こしちゃ駄目よー」


晴「勿論」


綺麗なレンの顔が隣にあると、

少しドキッとするのだが...

男なので、直ぐに思い直す。


しかし、レンの体はやっぱりとても軽い。


病的と言われても不思議では無いだろう。


レンをこうしたであろう

顔も知らないレンの母親を内心で睨む。

憎むと言ってもいいくらいだ。


こんな良いやつが...

そんな理由もわからない様なのに

傷つけられて良い訳ないんだ。


理由があっても駄目だ。


無垢な寝顔を再度見つめ、

何もできない自分に無力を痛感する。


今でも時折過去のトラウマを思い出すような、

そんな挙動をとったり泣いていたりする事が

多々ある。


眠っている時にうなされていたり、

傷を撫でて俯いていたり…


せめて、友達としてレンを支えたい。


切に切にそう思った。




キャラクターファイル

No.19

秋永 クチナハ/小笠原 智昭(おがさわら ともあき)

男性 36歳 元塾講師

秋永クチナハというVtooberをやっている。

BARは経営していない。お酒は好きだが、

別に強いわけではなく、また

暴飲するわけでもなく

あくまでも楽しむ程度にで、

節度を守れる良い大人である。

酒を呑まなくても寡黙だが

呑むと殊更静かになる。

友達の酒屋を手伝い、酒の知識を蓄えた。

親を支える為、去年から実家で暮らしている。

容姿は、キュトクマに

「見事な枯れ具合」と言わしめた。

最近、白髪を染め続けるべきか否か悩んでいる。

元々、Metoobeでは勉強の解説動画や

サブチャンネルでお酒の紹介動画や

お酒をより楽しむためのアイテムの動画等を

投稿していた。

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