第16話 五人でご飯 前編



店に行くよ!くらいまでですかね。長いです。


初配信、緊張したなー...


慣れていかなな。


プロの(?)Vtooberなわけやしな。


そんで、今配信を終わったんやけど...

 

ハルくんと晴美ちゃんと結衣ちゃんから、

明日の夜ご飯の食事のお誘いが来とった。


二つ返事で了承し、

後からながら予定なかったやんな?と確認。


よし、なかったな...よかったわ。と一安心。


明日はどこ行くんやろか。


ハルくんの話では、

寿司屋さんか焼肉屋さん。


どっちも楽しそうやなぁ。


そういえば、四人でご飯を食べる事はあっても

外食は中々なかったなぁ。


一回ずつイタリアンのお店行ったんと

中華のお店と和食店と、...それくらいやな。


まぁ、皆とうちで誕生日を祝ったり

鉄板だしてお好み焼きとかたこ焼きとかは

わいわいやった事あるけど。


配信した勢いで明日用の動画を一本撮る。


個人的に好きなオープンワールドRPGの

連載動画の第一回目や。









結構時間かかってもうたな...


美幸は配信前に寝とったから良えんやけど。


実況プレイってうん、緊張するんよね。


動画を確認して、編集作業に入る。


見どころのないところや

要らない所をカットする。


見やすい、けどマユキのイメージを壊さない

テロップを出来るだけ多く入れて行く。


別で撮っとったVモデルを動画の右下に

小さく設置しておく。


動画のカットに対して既に合わせてある。


マユキにポーズを持たせ、

主人公の服を着させる。


かっこいいテロップで動画の概要を伝える。


動画名も書き込み、時間設定もオンにした。


「ふぃ〜...疲れたなぁ。明日は金曜日かぁ...

 また美幸にお留守番させなあかんやん!

 今気づいたんやけど!どうしよ...

 夜ご飯先作り置きしやなあかんか?

 いや、美幸置いて行きたない!

 美幸も連れて行けるやろか...?どうやろ」


早速連絡を取り、3人に尋ねる。


遥『全然いいぜ』


晴『勿論いいよ』


結『寧ろ楽しみ』


や、優しい...!美幸も明日はなんも...ってか

小学生やしいつもなんもないか。


明日が楽しみやなぁ。







そして翌日。


「美幸〜」


「ん?にぃに、どしたん?」


「今日な、ハルくん達と夜ご飯行くんやけど...

 美幸も一緒に行かんか?」


「ゆいねぇもはるねぇも一緒なん!?」


「せやで」


「美幸も行く!」


「そらよかった」


「楽しみやなー」


「ほな、学校いってらっしゃい」


「うん、にぃにも仕事頑張ってな」


せや、マネさんにも連絡入れとこ。


今日、ハルくんとリア友達とご飯に行くんで

夜は家にいません...と。


あー、車の免許欲しいなぁ。


1〜3ヶ月かかるて言うしな...


でも、あったら便利やしな...


美幸をどっか連れて行く時とか。


勉強するか...

幸いな事に今日の動画は撮ってあるし。


午後七時半に動画をアップするよという旨の

告知をスクリームにあげ、

ちゃんとあげてるか確認してから歯を磨く。


美幸は、朝ごはん

洋食と和食どっちが良えんやろと

たわいないこと考えながら。


着替えを用意して、お風呂に入る。


服を脱げば否応無しに体の傷が目に入るから

銭湯や温泉は勿論、

美幸と風呂に入るのも苦手や。


痣、火傷、切り傷...

貧弱な自分身体についてるそれは、

ヤのつく職業の人のそれにも見える。


まぁ細すぎるし

見間違えられる事なんてないか...

と湯船をぶくぶくさせてみた。


そもそも服のない場所には傷はないしな。


湯船をでて、石鹸を泡立てながら体を洗う。


この肌は前までなんか

タオル使って擦り洗いするだけで

傷つくくらいやったしな...と

心の中で軽く自虐。


長い髪も手ぐしで解かしながら

シャンプーで洗う。


美幸に勧められた洗顔クリームを

泡立てて顔も洗う。

"かくしつ"を溶かすとかなんとか。


流石は女の子って感じやなぁ。


泡を洗い流したら、バスタオルで体をふく。


髪は長いから拭くのにも一苦労。

拭き終わったと思うたら

滴り落ちてくるからな。


ドライヤーで乾かす。

手ぐしでやっとるから、多少ぼさぼさやけど。


ゴムを咥え、髪を後ろに纏める。

纏めた髪をゴムで結えば、

ポニーテールの完成。


はぁ...髪切ろかな。


洗濯物を洗濯機に入れ、洗剤を投入。

蓋を閉じ、回す。


回してる間、室内で干してあった服を

ハンガーから取り込んで、畳む。


畳み終えたら、タンスに入れて行く。


美幸の服も入れた。

タオルは風呂場の棚に置いた。

掃除機をかけ、机やキッチンを布巾で拭く。


食器洗いやけど...

いやぁ、食洗機って便利やね。


「ふぅ...」


回し終わった洗濯機から洗濯物を取り出し、

ベランダに干す。


勿論、干す前にぱぁんと音を立てて

皺は取ったある。


結構時間かかったな...

まぁ、昼までゆっくりしよ。


買っていた小説を開き、ソファで寛ぐ。









「ん、そろそろ昼やな」


約11時半。冷凍うどんを取り出し、

だし醤油もだしてうどんのおつゆをつくる。


わかめを洗い、適度に切って

つゆの中で一緒に温める。


「ほんまは味噌汁用なんやけど...」


ついでにカットしたお揚げさんも投入。


別の鍋でお湯を沸騰させ、麺を茹でる。


シンクに置いた笊にうちあけ、

しゃっしゃっと水をきる。


どんぶりにおつゆと具をいれ、

そこにゆっくりと麺を入れる。


「うん、おいしそう」


簡単やけどおうどんの完成。


七味を軽く振って、「いただきます」


麺をちゅるちゅる啜って具をぱくり。


「はぁ...落ち着くわぁ」


ずぞぞと汁を飲みながら、時間をかけて完食。


洗い物は器と箸と鍋と菜箸だけなので

ささっと手洗いする。


午後やる事は

...お風呂掃除と洗濯物畳む事くらいやな。


洗濯物は乾き次第やるとして、風呂は...


今日、ご飯行くしなぁ...


その後沸かした方が電気代抑えれるな。


やる事ないもんやな。

...動画撮り溜めしとこかな。

うん、そうしよか。


今日撮るのは昨日に

今日用の奴撮ったのの続き。

早速カメラに向かって、

アバターを起動させる。


ゲームを開き、

セーブデータの場所から再開する。


少しマイナーな作品ながら、

しっかりしている。


要素も沢山あるし、

戦闘描写も丁寧に作られている。


移動に関しても少しの違和感もないし

食べ物を頬張るシーンは俺が一番好きな所や。


さて、カメラ起動して...


「...こんにちは、僕、マユキやで。

 今日も、Guiltyevidenceの世界を

 楽しみたいと思てるよ。

 前回はーーーで終わったんやよね。

 じゃあ、行きます」

...






1時間半後。


取り終えた俺は、デスクに向かう。


今度は編集するために、

パソコンと睨めっこや。


機械に疎い訳やない。


寧ろ明るい方やと思う。


「視聴者さんが見やすいように...

 マユキのイメージ壊さんように...」


そう、そういう所に苦心するんや。


ゲームの何も表示がない所に

マユキを入れたり、

テロップを出来るだけ

多く正確に書き込んだり。


「はぁ、しんどいけど...楽しぃな」


さて、サムネはどんな感じがええやろか...?


うーん、一部苦戦したし

ぼろぼろなマユキ置いとこ。

顔や肌に赤い線を入れ、

表情を歪ませる。


体を倒れさせ、服もぼろぼろにする。


ただし古そうなボロボロではなく傷の方の。


武器破壊もされたし、剣転がして半ばで折ろ。

おぅ、結構絶望的な絵面が出来てもた。


なんというか、ゴブ○ンとかオ○クにやられて

犯されかけてs...げふん。


くっ、殺せ!とか言いそうな表情やない!


ないって言うたらないんや!


はい、茶番は置いといて...

バックアップを取り、データを保存する。


「ふぅ、ひと段落やなぁ」


後は、美幸が学校から帰ってきたら

服着替えさせてタクシーよばなな。


とその時、結衣ちゃんから連絡。


『車免許取ったし、

 中古車だけどバンも買ったし、

 時間になったら家に迎えに行くよ〜』


なんやて。


車の免許取ったんや!

ほぁぁ、流石結衣ちゃん。


結衣ちゃんは全員の家知っとるし、

(四人共やけど)

お言葉に甘えよか。


晴『わかった〜。ありがとう』


遥『超助かる!ありがとな』


蓮『ごっつうありがたいわ、

 ほんまにありがと』


結『いやいや〜』


そしてものの十数分後、美幸は帰ってきた。


いつも以上にるんるんで、

テンション高くて可愛かった。


「店行く前に着替えてぇな」


「わかった〜」


「結衣ちゃんが車でお迎え来てくれるからな」


「えっ、結衣ねぇすごい!」


「ほら、手ぇ止めんと」


「はぁい」


僕も多少おしゃれな格好に着替えて、

まぁ、やり過ぎたら場違いやろうし

...軽ぅく、な。

美幸も可愛いかっこさせる。


やばい、抱きしめたいわぁ。

嫌がられたら泣きそうやし、やめとく。


そんで、楽しみやなーって話しながら

お迎えを待つ。


携帯がぶぶっと鳴り、

結衣ちゃんからのメッセージ。


結『遥希くん、蓮くん宅。着いたよ〜』


結『晴美は既に乗ってまーす』


晴『乗ってます』


遥『今でるよ』


蓮『僕も出るで』


「お迎え来たみたいやな、いこか美幸」


「うん!」


靴履いて...鍵かけて...財布持った携帯持った。

鞄持った鍵入れた。うん、よし行こか。


「お待たせ!」


「ごめん、待ったやろか?」


「ゆいねぇ!はるねぇ!久しぶり〜!」


「ううん、待ってないよ。

 久しぶり美幸ちゃん!」


「久しぶり美幸ちゃん。

 相変わらず可愛いですね〜」


「さ、ここで話もなんだし乗って乗って!」


「おお〜、これがバンか」


「おっきいんやなぁ」


「せやねぇ。ほら美幸、乗って」


「うん!おじゃましま〜す」


「どうぞどうぞー」








「全員乗ったねー?」


「「「「うん(はい)(ああ)!」」」」


「さぁ、出発!」


「「「「おー!」」」」



ある読者の方から、更新が早くて助かるという

コメントを頂きました。

コメント自体ものすごく嬉しいのですが

申し訳ないことに三十話強を越すと

普通の更新速度になると思われます。

すんません…




キャラクターファイル

No.18 神宮寺 サヤ/

      深沢 紬(ふかざわ つむぎ)

女性 24歳 カフェ経営兼業

神宮寺サヤというVtooberをやっている。

別に良家のお嬢様でもなんでもないが、

裕福な家に生まれ、良い学校に行った。

自分が作ったカフェの店長をしている。

従業員は四人の小さな店だが、

過去にテレビで取り上げられたこともある

そこそこの人気店。

フランスパンのフレンチトーストを好んで食す。

現在は普通の動画と合わせ、

料理動画も出している。

基本二人いたら店は成り立つので、

最近は従業員がカフェの仕事を

あまりやらせてくれない。

別に本来ツンデレではない。

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