夏色の情景が浮かんでくるお話でした。鮮やかな太陽、波のさざめき、沈む夕日、いろいろな風景が音と色を伴って浮かんで、場面一つ一つに浸ってしまいました。
ユウが夢乃と筆談で心を通わせる展開も優しさを感じられました。一度死んでしまったユウだからこそ、自ら世界を閉ざすことの怖さを伝えられたのかなと思います。
今回自分で写真を撮ったことで、ユウは自分の世界に存在していることを再認識できたのかなと思います。実体がないという意味では生きていなくても、朝香や明のように存在を認識してる人が限り、彼女もまた二人と同じ世界に生きていると言えるのかなと。
今回取り戻した記憶の断片がどのようにつながっていくのか、この先の物語も楽しみにしています。
作者からの返信
瑞樹さん、4話読了並びにコメントありがとうございました!!
毎度のコメント、本当に励みになります。
4話は一章最後のお話ということもあり、特に力を入れて書いたお話でした。ユウが見た海のことを、言葉でいっぱいに表現できるよう工夫したので、それが伝わっていて嬉しいです。
「命」という主題を描くこと、非常に難しかったのですが、「優しさを感じられる」と言っていただけて報われる思いがしました。ユウがここに存在している理由の欠片。ユウが世界に触れた瞬間の感覚。それは偽りなく、ユウが世界に「いる」ことへの照明になりますよね。
記憶の欠片を得たユウ。二章ではまた違う空気感に突入しつつ、とある苦悩を描いていったお話になります。
続きも時間とお心の余裕のある時に楽しんでくださったら幸いです。
コメント、失礼いたします。
非常に難しいテーマを分かりやすく噛み砕き、
それを美しく描写する冬原さんの手腕は、本当に素晴らしいです。
夢乃ちゃんが自分の気持ちを吐き出す場面、胸が痛くなりました。
昨年、生と死を強く意識するきっかけになる出来事があり、
死が身近にあって、いつ降りかかってくるか分からないことを痛感しました。
何だかそんな記憶が思い出されたシーンでした。
ユウちゃんの記憶に触れる描写もあり、
物語が進んでいっていることを強く感じさせます。
この先の展開を楽しみに、読み進めさせていただきます。
作者からの返信
下東さん、4話の読了ありがとうございます!
今回のお話は1章の最後ということもあり、いつも以上に力の入っていた話でした。苦労して書いた記憶もありますので、様々なことを感じてくださったご感想が本当に身に染みて嬉しいです。
生死の問題は、誰にも関係のあるテーマ。けれど、それに対する考えや感情はそれぞれで、共通ではない。だからこそ難しく大切なテーマだと思うのですが、こうして受け入れてもらえて安心しております。
仰る通りで、「ユウの記憶」という本編全体の問題にも微かに迫った回でした。次回からは2章。少し空気感や色が変化しますが、どうかお楽しみいただけますように。
ユウさんと夢乃さんの対話が胸に刺さりました。
もう世界の「壁」の内側には行けない幽霊であるユウさんと、己の命に絶望している生者の夢乃さん。
幽霊であるユウさんだからこそ、絶望してしまっていた夢乃さんの本心を大切に、包み込むことができたのだと思います。
ただただ、二人の静かであって鮮烈な生命の温度を感じる対話が本当に素敵でした。
そして、何かしら「海」に生前の己の何かを見出すユウさん。彼女の生前の記憶についても非常に気になりますね。
そして、この章での夏色の描写の数々がやはり秀逸でした!✨
波の泡が弾ける海と、夕焼けに焼かれた砂浜が鮮明に脳裏に咲きました。
これからのお話も、楽しみにしております!
作者からの返信
鹿山さん、引き続きありがとうございます。
毎話のコメント、本当に励みになります。
4話は私自身も苦悩しながら書いたお話だったので、大切に受け取ってくださったこと、本当に嬉しいと同時に安心しております。夢乃とユウは決して交わらない存在ではあるけれど、どこかでは繋がった部分もあって。そのことが何か夢乃の力になっていたらなと思わずにはいられません。
ユウの記憶については、本編全体に関わってくるものになりますので……ぜひぜひ楽しみにしていただけたらと思います……!!
連日本当にありがとうございます🌼