3粒目

彼女とあってから半年。僕はとうとう聞いてみた。

「君はなんでそんなにガムの話ばかりするの?僕、君とガム以外の話した記憶ないんだけど」すると彼女は静かにこういった。

「多分、私ガムに同情してるんだと思う。味がしなくなったら捨てられて、そんなの可哀想じゃん。でもまだ最初味あるだけマシかもね。私最初から味ないガムだから。捨てられたくないなって思って頑張るけど頑張り方間違って変な味になっちゃったり。誰かに美味しいって言って最後まで味わってもらいたいんだ。だけど無理だから。私もガムも。せめて私だけは最後まで美味しくガム味わってあげようと思ったんだ。」

はっきり言って、この時僕は彼女の気持ちがよく分からなかった。ただ

「僕は君とあっから少なくとも前よりガムについて考えるようになった。君は自分は味のないガムだと言った。でもそれは違うと思う。君は味のないガムに味を与えることができる素敵な人だと思うよ」といった。そして僕の中に芽生えたもう一つの感情も伝えることにした。

「味のないガムを復活させる方法、君はほかに知ってる?新しいガムと一緒に食べればいい。僕と付き合ってくれませんか?君となら美味しい味を作れると思うんだ。」

彼女は笑って、僕の口に新しいガムを入れた。

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私はガムを食べ終えない。 @anomaron

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