みどり会社やめるって

@modori

第1話 朝起きるのつらい

7時30分ごろ、家族が食事する声で目が覚める。起きなくてはと思うが体が動かない。体ではなく心が起き上がることを拒否している。起きてしまうとまた仕事が始まってしまうという恐怖感。これが3ヶ月以上続いている。

毎日客先、会社の同僚から怒られ続けて3ヶ月。理由は打ち合わせで説明する内容がわかりにくい、資料の誤字脱字、など多くある。土日休みもなく働き続け夏休みもない。家族との時間も皆無、こんな状況が3ヶ月以上続いている。毎日辞めたい辞めたいとしか思えない自分がいた。

医療系の大学を卒業後、精神科病院で働いていたが、4年目に上司から「センスも才能もないからやめてほしい」と言われ、28歳で転職してSEになった。

最初はIPアドレスさえわからない状況、しかも自分は吃音があるので人前で話すことを奇異な目で見られてきた。会社ではかかってくる電話に出るのも怖くて、できるだけ席を外すようにしていた。

時計は8時を回っていた。今はテレワークなので業務開始ギリギリまでねることができる。「起きるか」布団から抜け出し、一階におりる。

子供たちが食事をしているのを横目に自分はバナナを食べる。平日は体がバナナしか受け付けないので、バナナを食べる。その後コーヒーを飲む。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

みどり会社やめるって @modori

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る