第3話 再会
入部した翌日、1,2限の講義が休講となり久司はオールしてたみたいで教室で寝るらしい。
暇になったので部室へと行ってみることにした。
「ん?誰かいるな、鍵が開いてる。」
あの子がいるとも思わずに部室の扉を開いた。
「おはようございます。」
そう言いながら扉を開くと、あの子が涙を流していた。
「…」
僕はその状況が読み込めず、入口に立ち尽くしてしまった。
「中に入らないの?」
美少女が涙を拭いながらそう言った。
言われるままに僕は中に入り椅子に腰をかけた。
「そういえば、昨日新入部員が入ったってLINEが来てたわね...」
「私は西条彩乃(さいじょうあやの)2回生よ、彩乃って呼んでね」
「ちょっと最近精神的に安定しなくて、泣いちゃうことがあってね。泣いてたことはみんなに内緒だよ。」
「…」
緊張しているからなのか、泣いていたことに対する戸惑いからなのか分からないが、僕は言葉を発することが出来なかった。
「私ねこの部活辞めようと思ってるの...半年前に色々あってね、ここに来ると思い出しちゃうの....」
涙目のまま彩乃は話を続けた。
「!!!!」
僕は驚きを隠せなかった。
「な、なんで辞めちゃうんですか?」
その言葉だけは考えるよりも早く口にしていた。
「歌えないの...歌おうとすると涙が溢れて....あれからもう半年経つのに....」
「今日はもう帰るね...」
僕が返答する前に彩乃はそう言い立ち上がった。
「お疲れ様!またね!」
「お疲れ様です。」
僕はそう返すのが精一杯だった。
半年前に何があったんだろう?この部活の人は誰も話してくれなそうだし、、
久司にでも後で聞いてみよう。
そう思い授業までの時間、立てかけてあったギターをスマホで調べながら素人なりに弾いてみた。
想い出のままで あつし✰︎ @atsushi0507
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