闇の詩
つばさ
コンカフェの客として
彼女を独り占めにしたい。でもそれは許されないこと。独り占めできないなら、いっそ会わないほうが良かった。関係のある前の状態に戻したい...
死ぬまでにオレはコンカフェに、あと何回行けるだろうか。そんなことを考えてしまう。
彼ら、彼女達がオレに優しいのは、オレが好きだからじゃない。オレが客で、彼ら彼女達はキャストだからだ。
どこまで行っても、客とキャストの壁は超えられない。永遠に一緒にはなれない。その事実がオレを蝕む。それが分かっていても行ってしまうのは、好きだと思い込んで、本当はキャストをオレの寂しさを埋めるための道具としか思ってないのかもしれない。
キャストの卒業が憎い。その子の門出を素直に応援出来ない。特にオレが気に入ってる子にはそれを強く感じる。ずっと同じところにいて欲しいと思っている。
だがそれは、ずっと同じ場所で立ち止まっている自分が、許せないだけなんじゃないか。
そんなことを、帰りの電車の中で思い、オレは泣いた。
闇の詩 つばさ @underworld
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