第四十一癖『目暗む者、再び』

 翌朝──俺が目覚めたのは六時。いつもより一時間も早い起床だ。

 使い慣れてない寝袋というのもあるが、何しろ環境が変わったのが一番の原因だろう。


 まさか本当に朝鳥さん家で寝泊まりすることになろうとは……いくら護衛とはいえ、こいつぁ想像以上に気が休まらないぜ。


「取りあえず……支度しないと」


 とはいえどこで起きようと俺がやることに変わりない。家主を起こさないよう静かに移動して台所へと向かう。

 和食か洋食、どっちが作り慣れてるかと問われれば洋食の方だ。だから朝食は洋風で作るぜ。


 そんでもっていざ調理開始。やっぱり昨日買い物したのは正解だったな。少なくとも粗末な物にはならなそうだ。

 狭いキッチンも何のその。手早く進めていく。


「んん……? いい匂い……」

「あ、起きた。おはようございます、朝鳥さん。朝ご飯はもうすぐ出来るので先に着替えとかしておいてください」


 ここで家主のお目覚めだ。朝食を作り始めてから三十分くらいか。別にまだ寝ててもいいんだけども。

 ぼけーっとしてる朝鳥さん。はてさて、今日の具合はどうだろうか。


「……なんかまだ気分悪い。ごめん、もう一回アレやってくれる?」

「しょうがないなぁ。もうちょっと待っててください。すぐに行くんで」


 どうやらまだ駄目そうだ。俺は調理の隙を見てもう一度『癒し系聖癖章』を使用。まぁ、これで大丈夫だろ。

 再び元気を取り戻した朝鳥さん。俺が調理に戻るとその間に言われたことを全てこなしてくれた。聞き分けも良くて助かる。


 にしても覚醒めざめの副作用はいつまで続くのか。いい加減取り戻さないと毎日介護する羽目になってしまう。

 慣れてはいるが……手間は増やしたくはない。早いとこ闇の剣士を倒してくれることをここから密かに願おう。


「すごい……! 普通に普通の朝ご飯がある……!?」

「何で感動してるんですか。普通の朝食に感動するとかちょっと変ですよ」


 朝鳥さんがトイレから戻ってきたタイミングで俺は朝食をテーブルの上に並べていた。本日はシンプルにトーストとベーコンエッグにサラダ、そしてちょっと手抜きしてインスタントのスープとなっております。


 そんな当たり障りのない食事を前に、何故か朝鳥さんは驚愕の様子を隠しきれていない。むしろ涙さえ浮かべそうなほど。


「うぅ……美味しい。昨日の晩ご飯もそうだったけど、本当に美味しいよぉ……」

「誇張してません? ただ焼いただけなのにそこまで言われると恥ずかしいんですけど」


 そこまで言わせるか。流石に感動し過ぎじゃないのかって疑いたくなる。

 やっぱり社会人って朝も適当に済ませるんだろうか。社会に出たことのない俺が言うのもアレだが大変だなぁ。


 俺も自分の分の食事を済まして後片付け。その間に朝鳥さんはスーツに着替えて出社の準備をする。


「はい、これ弁当です。コンビニの弁当ばっかりは駄目ですからね? あと晩ご飯の用意もしたいんで帰りにスーパー寄りますけど、絶対に俺から離れないでくださいね」


 次の電車に間に合うよう普段よりも少しだけ早い時間に家を出るらしいから、俺は朝食の合間にこしらえていた弁当を渡す。

 ま、護衛だから職場まで同行するつもりだけど。今渡したって同じよ、同じ。

 すると、とある変化が朝鳥さんに起きていることに気付く。


「うぅ~……」

「えっ、何で泣くんですか!? そんなに付きっきりが嫌なんですか?」

「違う、そうじゃないの。むしろ逆ですごく優しくて感動しちゃって……。うわあああん! もう護衛とかそんなのいいからずっとここに居てぇええええ!」

「ちょ……抱きつくなって! そんなことしてたら会社に遅刻しますよ!」


 あろうことか泣いて抱きつきながら永住を懇願された。誰も見てないとはいえこれは流石に恥ずかしいって!

 いい大人が高校卒業したての未成年に縋り付く構図……もうどっちが年上か分かんねぇなこれ。取りあえず冷静さを取り戻させなければ。


「落ち着いてくださいって! 確かに俺は閃理らが何とかするまでの間しかいられませんけど、最初に言ってますから。協会の剣士になれば仲間として迎え入れるって。だから剣を取り戻したらきちんと考えた上で剣士になるかどうか──」

「じゃあなる! 私協会の剣士になる! 今の会社だって辞表を叩きつけてでも辞めるもん! だから私のために毎日ご飯作ってぇぇ……!」

「その言葉は俺に対して使うのは流石によろしくないんですけど!?」


 たった一日で手懐けされすぎだろ! そんなプロポーズ紛いのことを平気で口にするなんて、どんだけ一人暮らしで寂しい思いを経験してるんだよこの人は!


 これ……本当に剣士になったとしてもやっていけるのか? そこはかとなく心配にはなるけど剣士になるつもりではあるようだ。動機はアレだが。


 とまぁ朝から大変だったが何とか朝鳥さんを送り出すことに成功し、俺も護衛として通勤に同行。

 はてさて、今日は魔の手は来るのだろうか。焔神えんじんの熱感知能力を解放させつつ辺りを見渡していく。


「はぁ……会社行きたくないなぁ。家でゴロゴロしてたいなぁ……」

「本心漏れてますよ」


 移動中の愚痴からダメ人間ぶりが垣間見えてる。それでいいのか社会人。

 俺の父親はそういう愚痴をあんまり言わないタイプだけど、やっぱりみんなこうして愚痴りながら働いてるんだろうか。そうだとすれば社会って怖いなぁ。


 体調は回復させたはずだけどフラフラした足取りのまま駅への道を行く。そんなに行きたくなければ行かなければいいのに──っていう考えは甘いんだろう。


 そんなこんなで駅に到着。人の流れも多いが、朝鳥さんの後を付けて進んでいく。

 聖癖章の力を使えば無賃乗車も出来ないことはないが、流石に気が引けるので普通に会社がある駅までの切符を俺も買うぜ。どうせ一回か二回だけの出費だ。これくらいどうってこないさ。


 流石に朝なだけあって、電車内は通勤の人で沢山だ。俺は何とか朝鳥さんの隣をキープしつつ社会人の肉波に揉まれながら耐える。


 ガタンゴトン、ガタンゴトン──。電車が揺れると人波も揺れる。その度に隣のおじさんが俺に体重をかけてくる。そして俺は意図しなくても朝鳥さんに身体を押しつけてしまう。


 ただでさえ八割男性で占めるムサい電車内で、不可抗力とはいえ俺が圧迫させてしまっている。申し訳なさ過ぎてキツいわ。


「すみません朝鳥さん。俺満員電車って慣れてなくて……」

「あ、別に気にしないで。むしろ悪くないっていうか普段より全然マシっていうか……。君が気に病む必要はないから」

「いやほんとすみません……」


 これでマシってマジ? だとしたら大変すぎる……!

 朝鳥さん、よく体調不良の中で行き来出来てたな!? 俺にはこんなこと毎日は無理だぜ?


 普段は閃理やメルにも負けないズボラ加減だけど、やっぱりこういうところは大人だ。忍耐という名のスキルレベルが俺の何倍もある。

 ……帰ってきたら少しだけ豪勢な食事にしてあげよう。そう思わざるを得ない体験である。社会人、本当に大変だ。




 そんなこんなで電車に揺られて十数分。とある駅で停車したら朝鳥さんも動いたから俺も移動。駅を出てまたしばらく歩けば朝鳥さんの職場である『大鷹商事』が見えてきた。


「じゃあ俺はこの辺りで適当に時間潰してます。もし何かあったら迷わず連絡ください」

「うん。定時には帰れるから、それまで待っててね。それじゃあ」


 残念だが護衛はここまでだ。変装しようが透明化しようがこれ以上の同行は犯罪になる。バレなきゃ問題はないとは言うが、倫理的思考がそれを拒否するため外で時間を潰す。


「……はぁー、朝鳥さんすげぇわ。毎日あんな通勤してるとか信じられねぇ……」


 ようやく一息つけるようになったため、俺は近場のベンチに座って社会人の苦労の一端を知った感想を口にした。

 そりゃあんな生活を毎日やってりゃアルコールに頼りたくもなるわな。肉体的な疲労は勿論心労も溜まって不規則な生活にもなる。


 俺も剣士の道を取らなかったらこういう人生だったんだろうか。そう考えると身震いもしてしまう。俺には絶対無理だからな。


「……そういえば閃理らは大丈夫かな。俺いないけど起きれてるかな」


 ふと閃理らの動向が気になった。俺と別行動をしてるから進捗を知りたくなったのもあるが、何より俺不在の一班であの二人がちゃんと生きれてるか気になったわけなんだけど。



 俺:〈こっちは朝鳥さんの会社までついてってそこから変化無し。そっちはどう?〉



 まずはメルにメールを打って送信。そして数分くらいで返信が来る。



 メラニー:〈こっちもいじょうなしてきとなりまちからそっちのまちにいどうしたけいかいおたこるな〉



「うわ、何だこの文章……。分かりづらっ」


 返信が来たのはいいけど、まさかのひらがなオンリー誤字つき句読点なしの日本語初心者みたいな文章だった。

 なるほど~、多分前に日本語勉強してるって言ってたのは文字の方か。これなら確かに勉強はいるな。読みづらいことこの上ないぜ。


 でも内容は概ね理解した。どうやら目標が移動してるらしい。

 うーむ、犯人らと協力して朝鳥さんを狙ってるのなら、住所をバラされてる可能性も高い。こいつぁ帰りは気を付けないとな。


 そこから朝鳥さんが退勤するまでの数時間を潰すことに専念。勿論意識は常に会社にいる護衛対象へ向けてるけど。

 いやはや護衛も大変だな。ただ近くで見守ってるだけってのも中々にハード。骨が折れる仕事だぜ。


 今日中に全部終わるだろうか? 信頼してないわけではないにしろ、閃理が実質的な足手まといになってるからなおさら不安になる。

 頼むぜ二人とも。朝鳥さんの安寧のためにも頑張ってくれよな。











「焔衣からMailメール来タ。あっちは異常無いみたイ。どう返ス?」

「現状を報告しておけ。敵は移動を開始していると。念のために警戒は怠るなとも伝えてくれ」

了解リョーカイ


 移動中、メルが別行動中の仲間の情報を伝えてくれた。どうやら焔衣の方は安心してもいいのかもしれない。


 現在俺たちは『メスガキ聖癖章』が導いてくれた闇の剣士の座標に向けて移動している。とは言ってもすでに探知を数回繰り返しており、その度に別の場所へ移動しているという鼬ごっこの状態になっているわけではあるが。


 正直このままでは埒が明かない。おそらく奴は自身の居場所が特定されていることに気付いている。だからこのように移動し、俺たちの撹乱かくらんに徹しているのだろう。


 それに奴が犯人グループと結託しているとすれば──おそらく犯人らを朝鳥の下へ向かわせ、目的が成されるまで俺たちの足止め役に徹するはず。この移動もそれを含めた作戦に違いない。


 如何せん理明わからせがあれば全て解決出来ることだが、今のところ復活の兆しもない。そろそろ回復しても良い頃合いなんだがな……。


「ん、閃理。また移動しタ。そこ道なり真っ直グ」

「またか。ならば仕方あるまい。大元を叩けば何とかなると思っていたが、それは違うみたいだな。メル、次は犯人の居場所を特定してみてくれ」

「分かっタ」



【聖癖リード・『メスガキ』! 聖癖一種! 聖癖唯一撃!】



 相手がまともに向かってこないのであればこちらも真っ正面からの攻略を取りやめる。

 今度の目標は結託していると思われる犯人グループを探す。任務遂行のための身代わりを無力化しに行ったと知れば、必ず奴は姿を現すだろう。


「…………ムッ。閃理、犯人、朝鳥の家に向かってるかモ」

「やはりか。どうやら予想は的中したみたいだな」


 しばらくの間を空けてから、メルは聖癖章が教えてくれた情報を伝えてくる。やはり俺の推測は正解のようだ。

 今はもぬけの殻となっているアパートに行ったところで何も起こるはずもない。この絶好の機会、逃すわけにはいかん。


 俺は車の方向を転換し、朝鳥の家へと向かう。車で通るにはやや不便な通路だが気にしてはいられない。

 道中をしっかり確認しながら犯人を捜す。だが、それらしい人物らは見当たらないままアパートに到着してしまう。


覚醒めざめの影響を受けてからどれほど経つかは分からんが……気を付けておけ。限界が近ければ近いほど強化されているからな」

「分かっタ。ちょっと取りあえずちょっと本気出しとク」


 車から降りるとアパートの塀に隠れつつ臨戦態勢を取る。こんな事態だ、誰にどう見られるかなんて気にしてはいられない。

 メルから容姿については大体把握している。二十代後半の男二人、日本人らしく黒髪で服装も黒一色だったという。


 服装は変えられているだろうからあてにはしない。取りあえずそれらしい人物らが来るのを今か今かと待ち続ける。

 そして────しばらく待つこと数分。それらしき人物が視界に現れる。


「…………」


「来タ。前み見た男、同じ顔。犯人かモ」

「こいつがか……。だが妙だな。何故目隠しなんかしているんだ?」


 物陰から現れる全身が黒い服装に身を纏った二十代後半らしき男。こんな真っ昼間に浮くような姿をしてるのも変な話だが、何より目を引くのはその顔にある。


 何故かその男は目隠しをしていて、おまけにどこかふらついた歩き方をしているのだ。

 誰がどう見ても不審者にしか見えない人物。何故にここまで来て警察に職務質問されなかったのかが不思議でならないな。


 その男は案の定アパートを目的としていた。丁寧にも入り口から堂々と不法侵入──もっともそれは俺たちにも該当するのだが──をし、階段を目指していく。


 だが勿論、それ以上の進行は戴けない。いち早くメルの攻撃が犯人目掛けて飛ぶ。


「それ以上……行かせなイッ!」

「……うぅ、邪魔するなぁ……!」


 が、その瞬間目を疑うような光景を目にしてしまう。

 あろう事か何かに攻撃をガードされ、そのまま後方へと吹き飛んでしまうメル。コンクリートの塀に叩きつけられ、小さく悲鳴を出すのを見た。


 さらに驚きだったのは、犯人がメルを弾き返した得物。あの腕力もそうだが、まさか──覚醒めざめとはまた別の聖癖剣を持っているだと……!?


「その剣、【眼隠剣遮霧めかくれけんさえぎり】か! 何故お前がそれを持っている!?」

「うるせぇ……、黙ってろよ……。今あんまり大声出されるとなぁ……、キツいんだよ、身体がよォ……!」


 疑問を口にすると、犯人の男は俺に向かって衝撃波を飛ばしてくる。

 剣が使えなくなったと言えども剣士としての格が落ちたわけではない。衝撃波を見切って紙一重で回避。そのまま背後の塀が大きく削れ飛んだ。


 俺たちは普通に使っているが通常は修得に数ヶ月は掛かるはずの技術を一般人であるあの男が得ているとは。たった一日二日でこの男に何が起きたんだ?


 剣の出所もそう。疑問は晴れないが……とにかく分かるのは奴は遮霧さえぎりを結び、闇の剣士としてここにいるということだ!


「やはり覚醒めざめの報復が身体に変異を起こしているな。お前が剣を盗んだ本人ならば悪いことは言わん。あの剣を元の持ち主の下へ返すんだ!」

「黙ってろって言っただろ……! デケェ声出しやがって……!」


 そして犯人の男は動く。段差を破壊して跳び出し、俺の目前へと瞬時に接近。遮霧さえぎりで切り裂こうとしてくる。

 勿論それを理明わからせで防御。しかし──剣による身体能力向上と覚醒めざめによる能力強化のせいで、俺は簡単に押し負けてしまう。


「ぬぅっ……!」


 今度は俺が塀に叩きつけられる。今の俺は現状普通の人間以上、聖癖剣士以下の身体能力しかないため、正直勝てる見込みは薄い。

 幸いにも相手は剣士としてはズブの素人。剣の軌道を見切れば回避は出来なくもないが、如何せん身体能力の差が開きすぎている。

 このままではジリ貧だ。どうにかしなければ……。


「あなた倒して剣二つとも返してもらウ! 前みたいに手加減しないかラ!」



【聖癖暴露・褐蝕剣廻鋸かっしょくけんのこぎり! 聖なる雷が悪しき魂に裁きを下す!】



Thunder shoot雷撃の弾!」


 犯人の男のヘイトが俺に向いた隙を突き、メルが暴露撃に出る。

 剣を振るって放たれる電気の塊。だが犯人はそちらを向くことなく、剣を操作した。



【悪癖開示・『目隠れ』! 暗ます悪癖!】



 その攻撃を承認した瞬間、男の姿は完全に消える。それによりメルの技は目標に当たることなく塀にぶつかって霧散した。


 まずい……遮霧さえぎりの存在認識操作能力を看破することは困難を極める。理明わからせの権能や焔神えんじんの熱感知能力を使えば特定は可能だが、今は誰もそれを行使できる者はいない。


 何せ廻鋸のこぎりに宿るのは『雷』と『速さ』の権能だけなため、俺たちのような能力が無いのだ。

 一応『メスガキ聖癖章』を行使すれば不可能ではないが、知りたいことを読み込むために数十秒の時間を有するために現実的ではない。他の手持ちにある聖癖章での対処も難しい。


 とどのつまり──奴が能力を解かない限り、メルはもう敵を捉えられない!


「くっ、どこ消えタ!? なんて卑怯ヒキョーナ!」


 無駄だと分かっていても、辺りを見回すメル。このままではいつ不意を突かれて致命打を受けてしまうかも分からない。

 ならば────打てる手は一つだけだ。敵に背を向けてしまうことにはなるが、この状況下では致し方ない。


「メル、ここは一旦退くぞ!」

「うン!」



【聖癖リード・『白粉おしろい』! 聖癖一種! 聖癖唯一撃!】



 俺は撤退を指示すると、メルはとある聖癖章をリード。すかさず承認して発動。

 瞬間、辺り一面に真っ白な粉塵が支配する。


 アパートを一棟丸ごと包み込むだけでなく、その周辺までもを包み込む広大な目眩ましが拡散した。


「くっ……、煙幕だとぉ……!?」


 どこからか男の声が聞こえる。この隙に俺たちは煙幕に紛れて一度離れることにしたのだ。

 報復の影響を受けているとはいえ敵を甘く見過ぎていた。まさか厄介な権能を秘める聖癖剣を貸し与えられていたとは思わないだろう。


「まさかの強敵の登場だな。メル、次はやれるか?」

「うン。次は絶対倒ス。焔衣にもこのこと伝えとかないト」


 悔しいが今回はあまりにも相性が悪い。前の剣士よりも上手く扱えているとは思いもしなかった。

 次は必ず勝利を納めるために装備を整えてから再戦する。勿論あの権能に対抗出来る聖癖章くらい持ち合わせているからな。


 これは思ってた以上に苦戦を強いられそうだ。闇の聖癖剣使い……悪癖円卓マリス・サークルでなくとも侮ってはいけないな。

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