>――――
「ああああぁっ……」
ずぶずぶともぐりこんだ隘路は熱く泥濘んでいて、その柔らかさとは裏腹に、吹雪のことをきつく食い締めて離そうとしない。
(俺の場合、体で籠絡されたような気もするが)
こみ上げるというより、搾り取られる感覚に近い。六花との交合がもたらす強烈な性感に、吹雪はぶるりと体を震わせた。
どこもかしこも熟れたよう真っ赤に染まった女の体は、吹雪が与えるどんな些細な刺激にもつぶさに反応してみせる。
「――六花」
とっくに呂律の回らなくなっている六花から、まともな返事があるはずもなく。
代わりにきゅうっ、と締まった
(確かにこれは、マーキングだな)
どこの馬の骨とも知れない
実らない種を注ぎ込み、吹雪の
「頼むから、お前だけは俺を残して逝かないでくれ」
せめて一緒に死ねるようにと、この世の何より愛しい女へ呪いをかけた。
微睡み這い寄る銀の鍵 葉月+(まいかぜ) @dohid
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます