最強の村だと私は気付いていないです。

第1話 ライラは今日も元気です!

庭から無駄に元気な鼻歌が聞こえる。

この家の長女ライラが洗濯を干している。忙しい母の手伝いはいつも日課であり、洗濯を干し終わると次は食事の準備だ。父はもうとっくに狩りに出掛けた。



「お母さん、洗濯干したよー!」



「ありがとう、双子とチロ起こしてくるから、ベーコン焼いていてくれる?」



「オッケー!」


ライラはあの無駄に元気な鼻歌パート2を奏でながらベーコンを焼いてお皿に盛っていると騒がしい声が聞こえてくる。



「「おはようねーちゃん!」」


一番に降りてきたのは今年6歳になる双子の男の子ジルとヨルだ。


「まっちぇよ~」


手すりに掴まりながら1段ずつ降りてくる天使は末っ子のチロ今年3歳になる。


「皆おはようー!顔を洗ってきて~」


「「はーい!」」


「あい!」チロは双子が連れていく。


お母さんと朝食を並べていると、チビ達が戻ってくる。皆で食卓を囲むといただきますで食べ始める。



「ねーちゃん毎回言うけどさぁ鼻歌が大きすぎるよ!鼻歌の音量じゃないんだよなー」


ジルが溜め息を吐きながら言う。そんなに酷いかな?ライラはあまり自覚がない。


「俺もあの歌で起きちゃうんだよ!」


「ねーたんのうちゃうるちゃいよ~」


うっ!天使にまで迷惑がられている。私は傷心のまま保冷庫から肉の塊をだして魔法で溶かすと、皿に移しポケットから細くて小さな笛を取り出し吹く。犬笛だ。暫くすると巨大は漆黒の狼がこちらに走ってくる。



ライラは巨大は肉の塊を軽々と持つと、玄関を出る。庭にお座りして尻尾を振る狼に肉を出す。勢いよく食べる狼を優しく撫でるライラ。


「ゆっくりお食べクロ!」



『うむ。非常に美味である。』



「おかわりあるからね!」


こうしてライラの普通の日常が始まったのである。




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