第3話 アンガル村は普通の村です!
レッドボアを軽々と担ぎながら談笑する男達にも驚いたが、一番はあの少女だ。今もレッドボアを片手で軽々と持ち器用に居眠りしている。横に倒れそうになるとあのフェンリルが少女を起こす。
「器用だな...」感心してしまうライオネル
暫く森を歩くが魔物が一切出てこない。自分達が森に入った時と明らかに空気が違う。
「団長、こんな所に村なんかあるんですかね」
「正直聞いたことはないが取り敢えず付いていくしかないだろ。」
部下が疑うのも分かる。この森は国では決して立ち入ってはならないとされていて、一流冒険者でも近寄らない【死の森】と呼ばれている場所なのだ。
「おい、着いたぞ!」
ゴルムがライオネル達へ呼び掛ける。ライオネル達はいつの間にか森を抜けていた。そこには
拓けた小さな町があった。入口に門番らしき男が2人ライオネル達を不思議そうに見ている。
「ゴルム、あいつらは?」
「ああ、森で怪我していてな、暫く面倒を見るがよろしくな」
「よろしくお願いします。」
ライオネル達は頭を下げる。
「そうか、災難だったな。野生のドラゴンにやられたか?」
「......は?」
門番は冗談を言っているわけでも無さそうだ。
「タロじい、...レッドボアだよ」
少女が門番の爺さんに言うと唖然としている 。
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ライラは後ろから付いてくるライオネル達を不思議そうに見る。
「ねぇお父さん、レッドボアにやられていたの?」
「ああ、俺たちが見つけて倒さなかったらあいつらは死んでたな。」
「....今までどうやって生きてきたの?」
「謎だな!」ゴルムは笑う。
村に着くと門番がライオネル達を見つける。タロじいはライオネル達に声をかけているが私がレッドボアにやられたと言ったら動かなくなってしまった。
「タロじい!しっかりして!...お父さん!タロじいが死んじゃっ「死んでないわい!」
タロじいはもう1人の門番に任せてまずはご馳走(レッドボア)の解体作業の為、解体所に運ぶ。レッドボアは全部で8体だ。
「8体位で死にかけるかな?」
そう言いながら器用にテキパキ父親達に混ざって解体しているライラをこれまた唖然と見ているライオネル達。
「君も解体するのか?」
「はい、仕事だから」
「ライラ!俺が解体するからこの騎士さん達を
集会所に案内してくれ!」
「がってん承知!」
「....よろしくお願いします。」
この村には客人が来る方が少ないので宿屋がない。各自の家も客室がないため集会所をライオネル達の休むスペースにした。
解体所の直ぐ横に集会所の建物があり、村人が布団や食事の準備をしていた。
「「ねーちゃん」」
「ジル!ヨル!」
集会所の入口に双子が座っていた。
「学校が臨時で休みになった!」
ヨルは嬉しくて小躍りしてる。
多分怪我人を見るため人手が必要だったからだろう。学ぶことが好きなジルは明らかに不機嫌だ。ライラの後ろの騎士達を見つけると爆発した。
「あの、たかがレッドボアで死にかけるなんて本当にこの国の最高騎士団何なんですか?」
「坊や、レッドボアは単体だとCランクだが集団になるとAランクになるんだよ。いくら私達でも6人では対処できなかった、不覚だよ」
「レッドボアは集団行動が当たり前です!野生のドラゴンなら分かりますが!」
ライオネルは固まった。
最強の村だと私は気付いていないです。 尚 @akechi86
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