第116話 終わりに

 保谷先生は、初期研修医、後期研修医の6年間を九田記念病院で過ごし、様々な経験を積んできた。そして、「研修医」の名前から外れ、「一人前」の内科医として、次の段階へ進んでいく。


 とはいえ、呼称が変わったからと言って、突然にできることが増えたり、医師としてのレベルが上がるわけではない。常に医学は進歩しており、常に勉強し続けることが必要である。


 新天地として、子供のころからのかかりつけ医だった診療所で、今度は一人前の医師として仕事を行なうことになった。検査を指示すれば、ほとんどの検査で速やかに結果が出る九田記念病院とは異なり、できない検査も多い地域の診療所で、どのように医師の仕事をすればいいのかを要求され、また自身が提供したいと思う水準の医療を提供するためには、何をしていけばいいのだろうか、保谷先生の悩みは尽きないのである。


 保谷先生が次のステップで、様々な出来事を体験する前に、少し過去にタイムスリップしようと考えている。続編(「保谷君の医学生時代(保谷君外伝)」)を読んでいただければ、大変光栄である。

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