浅川視点〜透クンと泉ちゃん
透クンが最近急に大人びた。
なんでだろう。
前よりずっと漢らしくなった気がする…。
…もしかして透クン…。
「ねえ透クン最近エッチした?」
「!?な、な、何言ってるのっ!!」
真っ赤になって慌てる透クン。
「何でかしらね…この幸せ度数と童貞くささが消えた透クン…。この二つが導き出すのは…つまり泉ちゃんとエッチ!?」
「浅川さんお願いだから黙ってっ!?」
透クンに口を押さえられる。
「そんな事真実にバレたら俺殺されちゃうよっ!大事な妹さんに手を出した事がバレたら…でも…やっぱり真実には…大事な友達だし…言わなきゃだよね…。オレ…生きていられるかな…。泉ちゃん遺して死ねないよ…。」
…透クンってば本当いらない心配してるわ。
真実は絶対喜んでると思う。
泉ちゃん遺して死ねないって…もう完全に真実の思惑通りだ。
透クンに成り行きを根掘り葉掘り聞こうとするがさらっとしか話してくれなかった。
「ごめんね。泉ちゃんとの事だからそれは秘密。」
そう言いながら幸せそうに透クンは笑う。
★
「…真実に言うよ。オレ…。」
透クンは意を決したように立ち上がった。
「うん。頑張ってね★」
透クンを送り出す。
…にしても透クンの心を射止めた泉ちゃんって一体どんな子なんだろう…。
俄然真実の妹ちゃんに興味がわく。
数日後、ほっとしたような笑顔の真実と透クン。
二人がいやに仲良くしていた。
…どっちも思惑は違う様だがどちらも安心した様だし良かった。
透クンが今日泉ちゃんとデートすると言うのでついて行くことにした。
「…絶対…泉ちゃん見たら帰ってよ?デートにまでついて来ないでよね?」
…透クンが顔を赤くしながら何度も同じことを言っている。
「分かってるって★真実とも同じ時間に待ち合わせたし、兄妹揃えて観察するわよっ!」
透クンと駅のそばの待ち合わせ場所で真実と泉ちゃんを待つ。
「透クンちゃんと誰かを好きになれて、しかもちゃんとエッチ出来てよかったわねっ★」
透クンの頬をつねる。
「うん。本当良かったよ。オレ…」
そんなことを話していたら真実の背中が見えた様な気がした。
「…真実っ?ってどこいくの?」
そう言いながら立ち上がる。
「…泉ちゃんっ?」
透クンが突然走り出す。
「もう、透クンなんなのよ。突然走り出してっ!」
透クンの目の前に立っているのは真実と、…写真で見た女の子だった。
ああ、この美形…間違いなく真実の妹ね。
真実に抱きつく様にしていた泉ちゃん。
「ああ、浅川は俺の彼女だぞ?」
「?」
真実はそっと泉ちゃんを離して透クンに押し渡す。
「泉ちゃん、大丈夫?」
泉ちゃんの肩を抱いた透クンは本当に幸せそうだった。
「泉、俺の彼女の浅川唯さんだ。」
「浅川です。よろしくどーぞっ★」
私は笑顔で泉ちゃんを見る。
…やっぱり真実に似てるな…。
しかも透クンの言うようにすごい可愛い。
微笑んでくれる泉ちゃんはたまらなく可愛いくて思わず抱きしめて頬にキスする。
「ああっ!浅川さん何するんだよっ!泉ちゃんは俺のっ!!」
慌てたように透クンが泉ちゃんと私を引き離す。
「透クン、余裕がないとすぐフラレちゃうわよっ。泉ちゃん、透クンに飽きたら私とも遊びましょうねっ★」
真っ赤になる泉ちゃん。
「もうっ!俺たちもう行くねっ!行こう泉ちゃんっ!」
慌てたように泉ちゃんの手を引き連れて行ってしまう透クン。
そんな透クンと泉ちゃんの後ろ姿を見送る。
「俺…透を失いたくないがために自分の妹を差し出したんだ…。…悪いアニキだな。」
困ったように笑う真実。
「まあ良いんじゃない?お似合いよ?あの二人すごい幸せそうだし。」
振り返った泉ちゃんに手を振る。
「…幸せになれよ。」
真実は二人の背中を見つめながらぼそっと呟いた。
「もう、シンジってば。…私達も幸せになりましょうねっ?」
真実の腕に抱きつく。
「ああ…。」
優しく微笑んでくれた真実はやっぱりイケメンメガネクンだっ★
家に来た兄の友達と…★ 青海 @oumu0001
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