まだ、生きることを許された

僕は…生きている。

身体がところどころ透明になってしまっている。

それでも、ちゃんと意識はある。

「どうだい?少年。しっかり喋れるか?」

誰かに声をかけられる。

ずっと、だれが声をかけているのだろうと思っていたけど…

「さっきのねばねば?」

「ひどいなぁ…せめてスライムと呼んでくれ、その呼び方は汚らしいから。」

「わ、わかった。」

僕は、目の前のそのスライムと呼ばれる生き物が、深海から救い出してくれたのだと、直感でわかった。

ある意味、生きることを永らえさせられたわけだけど…悪い気はしなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

短編、深海のスライム @IronRaven2757

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る