第9話
「何故だ・・・
お前は本能に支配されたはず・・・」
男は不思議そうに、俺に話しかける。
「本能ね・・・」
「そうだ!!
アイツの体は、なんらお前に不満を持たせないはずだ!!」
男は俺に食い気味になる。
「まぁ、女騎士を襲おうとは思わなかったよ」
「そんな・・・」
男は膝を着く。
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「叔父上、一体、なぜこのようなことをしたんですか?」
回復した女騎士は、ぐったりしている男に聞く。
(そういえば、こいつ、女騎士の叔父だったのか・・・)
俺は思い出す。
「ふっ、わかりきったことを・・・」
男は説明した。
それを要約するとだ。
女騎士が任務に失敗すれば、一族の重要な地位に、女騎士ではなく彼が就けたそうだ。
「そんなことせずとも・・・」
女騎士は言う。
「黙れ!!
せっかく、貴様にゴブリン相手に弱体化する呪いをかけたのに・・・
まさか、任務が成功してしまうとは・・・」
「なに・・・?」
女騎士は男の言葉を聞き、怒りのトーンになる。
「あっ・・・」
男は余計なことを、口走ってしまったようだ。
(どうりで・・・
女騎士がゴブリンを嫌っていたことを理解したよ)
女騎士が俺を嫌っていた理由が分かって、ホットした。
「ここ最近、ゴブリン相手に苦戦していたことは、そういうことだったのか・・・。
いかに、叔父上といえ、容赦はしない・・・」
女騎士は男に近づいた。
「あ・・・あ・・・」
男は後ずさりするが、もう遅い。
女騎士の拳骨が降り注いだ。
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「解呪するから、許して・・・」
男は涙目で言う。
「さっさと、そういえばいいものを・・・」
男をしばいた女騎士は、腕を組む。
「では、するぞ・・・」
男は構えた。すると、女騎士の足元に魔法陣ができる。
「はぁっ!!」
魔法陣は光り輝く。
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「よかったな、戻って」
解呪が終わったようなので、女騎士の肩を叩く。
「・・・」
女騎士が黙っている。
(あれ・・・?)
彼女の様子がおかしい。
「大丈夫・・・?」
もう一度、肩を叩くと
「ひゃんっ!!///」
女記者は、とんでもない声を出した。
「おま、これって・・・」
俺は男を見る。
「バカめ・・・
俺がミスミス解呪すると思ったか?
むしろ、呪いを強くしてやったわ。
ざまぁみろ!!!!」
ドヤ顔で、男は言う。
「・・・」
「っ!?」
無言で圧を出す、女騎士。
男はその後、悲惨な目にあった。
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「なぁ、これからどうするんだよ?」
「さぁな・・・
とりあえず、一旦帰る。
そして、もろもろを検討をする」
俺の質問に、男をひきずりながら女騎士は答える。
女騎士に殴られて気絶する前に、男は言ったのだ。
「そもそも、解呪の仕方を知らん」って。
だから、彼女は解呪の仕方を探る必要があるのだが・・・。
「まぁ、とりあえず、これを手に入れることができた」
女騎士は水晶を掲げる。
「そうだな。
とりあえず、お前の任務は達成はできたもんな・・・。
よかったじゃねえか!!」 パシンッ!
無意識に彼女の足を叩いてしまった。
「アヒュッ!!///」
女騎士は膝を着いた。
「貴様、わざとやっただろ・・・?」
激怒の目で俺を見る。
「いや、そんなことは・・・」
ジャキンッ
女騎士は俺に、剣を向ける。
「容赦はしないぞ・・・」
「ええっ!?」
俺は彼女に追いかけられる。
この先、女騎士を解呪する方法を、彼女と一緒にさがすことになるのだが、それはまた今度話そう。
Fin
「こらっ、何で近づいてくるんだ!?」~ゴブリンに転生したのですが、女騎士に討伐されそうです~ マシュマロ @marshmallow0905
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