サイバネティック☆おばあちゃん!!
ム月 北斗
サイバネティック☆ろけっとぱんち!!
これはありえたかもしれない西暦2021年のおはなし
デジタル化が進む社会、アメリカ、ロシア、中国と名立たる国々で科学化する都市
通称「サイバーシティ」、NYやモスクワ、北京は煙とネオンが輝く都市へと変貌していった
これに伴い、発展した
日本も当然その波に乗った
首都「東京」、日本で最も早くサイバーシティと化したのはやはりというべきか
「秋葉原」であった。
秋葉原を中心にサイバネティクスが流行り出す
―――――ここで少し話を変えよう
この物語の主人公は私、「ハナ」・・・のおばあちゃん、「りん」である。
齢80歳にしてなおも元気なおばあちゃんである(腰は曲がってるけど・・・)
田舎に住んでいながらも「流行りもの」が好きな人
当然、「サイバネティクス」にも食いついた
そして、私たちの制止も聞かずおばあちゃんは半年前に秋葉原へ単身向かったのであった・・・
それから現在、私はおばあちゃんの住んでいる田舎へと向かっている
家族がどうしてもおばあちゃんを心配しているからである
電話でおばあちゃんはいつも「大丈夫よ~」としか言わない、まぁ心配するのも当然だ
おばあちゃんの村へ向かうバスは
バス特有のエンジンの振動、私はどちらも嫌いじゃない、『風情』と思っている
街から乗り継いで2時間、バスはおばあちゃんの家の側のバス停へ着いた
バスの扉のビープ音が鳴る、プシューっと扉が開くと目の前には・・・
「おばあちゃん!」
薄い青色の格子模様の入った半袖、灰色のダボっとした袴のようなズボン
どことなく線香の香りがした
「久しぶりね~、ハナちゃん。」
間の抜けた口調で返すおばあちゃん、その声がどれほど優しいか・・・
おばあちゃんの家に向かう中、他愛のない話をする
今年のスイカは大きく育ったとか、私の好きな「チマキ」を作ったとか
「あら~、りんちゃん!」
突如高い声が響く
「まぁ~、おはよう『べこちゃん』。」
べこおばあちゃん、本当は「
おばあちゃんの幼馴染だ
「りんちゃん大変よ!まーた『こてっちゃん』が・・・あ!来たわ!!」
べこおばあちゃんが指さす方を見る
「ババァ!りんババァ!勝負じゃあ!!!」
3メートルはあるだろう巨大な二足歩行のロボットを、後ろで操り老人が現れた
「またなの『こてっちゃん』?懲りないわね~」
こてっちゃん、本名「
「今度こそ捻り潰してやる!ゆけ!『超合金超重量超馬力E型・
え?なんて?
おじいちゃんの合図と同時に巨大なロボットはまるで大木のような腕を振り上げる
「もう、しょうがないわね~。ちょっと待っててね、ハナちゃん。」
そういうとおばあちゃんは身構えた
片足を少し後ろに引く、ファイティングポーズのように・・・すると
おばあちゃんの足の平が開き小さな車輪が出てきた
轟音が響きおばあちゃんがロボットへとものすごい速さで飛び掛かる
構えた右腕はロボットの頭ほどの大きさに変形し、肘のあった部分は踵のよりも大きなジェットエンジンがすさまじい熱量を放っていた
けたたましい爆音が田舎の田園風景に響く
おばあちゃんの突き出した右の鋼鉄の拳はロボットの顔面を捉えた!!
「ろけっと☆ぱ~~~んち!」
爆ぜた・・・
ロボットの頭部はまるで握りつぶしたリンゴのように・・・
部品だろうか?メモリやらCPUやらがガチャガチャと落ちていく
「か・・・KANJIいいいいいいいいいいいいいい!!!???」
虎徹おじいちゃんの・・・えーと、なんだっけ?超超超E・KANJIだったっけ?は機能を停止したのか動かない
「こ…このりんババァ!覚えとけよ!これで勝ったと思うなよおお!!!」
おじいちゃんは捨て台詞を吐いて部品とロボットの胴体を荷車に積んで逃げて行った
「またおいで~こてっちゃん!老後の楽しみなのよ~!」
これが老後の楽しみでいいの?おばあちゃん?
「さぁて、チマキ食べようねハナちゃん。」
今の一瞬で起きたトンデモ事件・・・私の脳では処理できない
お母さんたちになんて言えば・・・
私は今見たことをすべて「チマキ」で上書きし
「何でもない日常」を選んだ―――――
サイバネティック☆おばあちゃん!! ム月 北斗 @mutsuki_hokuto
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