第79章 火星の小さな守護神⑫

 「キアヌ! 2人を確保した。全員退避しろ!」

 ゲバラの声を耳にしたキアヌたちは、一斉に持ち場を離れた。


 ギギギギー! 支えを失ったゾルダーの胴体は崩壊音をまき散らしながら倒れ始めた。ドッシャーン!! 地響き音を轟かせ、老朽化した超高層ビルのように胴体はバラバラに砕け散った。


「キアヌ、二人を、俺が乗ってきた船に急いで運んでくれ。船には蘇生装置がある」

 地上に降りたゲバラは、凍り付いたままの二人を運び出した。


「わかった」

 側に降りてきたキアヌが二人を引き取った。


「それで、あんたはどうする?」


「この化け物の主は、まだ死んではいないはずだ。頭が無事ならまた再生する。俺は奴の息の根を止めにいく」

 声を返すと、ゲバラは操縦席に乗り込み、戦闘機を発進させた。



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