第79章 火星の小さな守護神②
ゾルダーの巨大な喉が迫ってきた。まるで地獄の入り口のようだ。いや俺にとって本当の地獄の口だ。その口が閉じる前にどうにか中に入ることができた。口が閉じたことで、いきなり暗黒の世界に飛び込んだような感じになった。
ヘッドライトを点灯させた。瞳に飛び込んできた周りの異様な光景に、眼を見張った。だが周りをつぶさに観察する余裕などなかった。いきなり滝つぼにでも落ちるかのように押し流された。
なんで本物の生物でもないのに、食道のようなものがあるんだ? 不満を飛ばしている間に、戦闘機は溶岩池のような場所にドンと落ちた。いったいなんだここは? さしずめ人間でいえば、胃袋のようなところか? しかし人間のように飯など食う必要がないはずなのに、なんでこんなものがあるんだ? 思わず口の中にまた声を飛ばした。
「まずい! 戦闘機が溶け出したぞ!」
急いで戦闘機を発進させようとしたが、エンジンがかからなかった。
「まずい。非常にまずいぞ!」
俺は焦りまくった。何度操作を繰り返しても、エンジンはガス欠のような音がするだけだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます