第77章 進撃の超巨大怪物⑤

 火星の人々は自分たちが絶対に守る! との強い決意を全員が持ち、キアヌたちは何度も土砂崩れを発生させて、ゾルダーを崖淵まで転がした。高さが3千mを超える巨大山脈のようなカルデラの外輪も味方した。


「奴がまた大きくなった」

 パイロットの1人が絶望的な声をあげた。


 絶望的な気持ちになるのも、無理はなかった。ゾルダーは100mを超える巨大怪物になっていた。


「みんな諦めるな!」 

 キアヌは励ます声を飛ばすと、挑発するようにゾルダーの顔の前にハエがまとわりつくように飛んだ。


「目障りだ」

 ゾルダーが叩き落そうとしてきた。


「いまだ!」

 ドドドー! キアヌたちは雪崩のような土砂崩れを起こし続けた。


「まずい、弾切れだ」

「俺の弾ももうすぐ切れる」


「レオニード、マルコフに誘導ミサイルを発射するよう連絡してくれ」


「奴が中腹まで登ってきたぞ!」


 起き上がったゾルダーは急斜面もものともせず、またずんずんと登っていった。



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