第77章 進撃の超巨大怪物④

 キアヌたちはゾルダーの前進を阻止しようと、足元の地面を狙って発砲し続けた。だがいくら猛攻撃を続けても、ゾルダーの足を止めることはできなかった。すると、ゾルダーが自ら足を止めた。そして、キアヌたちを睨んできた。その真っ赤な眼は、見下しているかのようにも見えた。


「奴はまた大きくなっているぞ!」

 レオニードが声を張り上げてきた。


 またも体が一回り大きくなったゾルダーは、眼を前方に戻すと、のしのしと大地を踏み潰すように歩き始めた。


「奴に俺たちは眼中にないようだ」

 キアヌが歯ぎしりするように声をあげた。


「みんな奴の足先を撃て。土埃をあげて視界を遮れば、少しは前進を遅らせることできるはずだ」

 キアヌが続けて強い口調で声をあげてきた。


「わかった。みんな一斉射撃だ」

 雨あられのように弾を放ち、ゾルダーの行く手の大地を抉った。


「また大きくなった。奴が外輪の斜面を登るぞ!」

 ゾルダーの身長は50mを超えても、さらに大きくなりそうだった。


「レオニードたちは上を狙って土砂崩れを起こしてくれ。俺たちは奴の後ろを抉って下に転がしてやる」


 ドドドー! 破戒された音と同時に、土砂崩れが発生した。土石はゾルダーの体を飲み込んだ。

 キアヌたちの計算通りだった。ゾルダーは斜面の付け根まで押し流された。だが、土砂から顔を出すと、這い上がり何事もなかったかのように斜面をまた登りだした。


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