第77章 進撃の超巨大怪物③

「わたしたちの武器が通用しないなら。火星人がつくった爆弾は使えないかしら」

 アリーナが発砲を中断し、思い出しように吐いてきた。


「火星人の爆弾?」

 発砲をやめたゲバラが訊き返してきた。


「ええ、フォボスに火星人たちの爆弾があるわ。その中に使えるものがあるかも?」

「アリーナ、俺を火星人たちの爆弾がある場所に案内してくれ。奴を倒すものがあるかもしれない。キアヌ、俺たちが戻ってくるまで、あの怪物を町に行かせるな」

 決断力の早いゲバラらしく即応してきた。


「ああ、任せとけ」

「ここから麓までは300キロ、麓から町までは800キロだ。俺たちが戻るまで、奴の前進を抑えてくれ」


「俺も行く」

 そのやり取りを聞いていた俺は、考えるより先に口を挟んだ。


「ええ、宮島さんには、火星人の血が流れている。一緒に行ってください」

 ゲバラが逆にお願いするかのように吐いてきた。


「さあ、急ごう」

 俺の言葉を合図のようにして、空中を蹴るように一気にフォボスを目指した。


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