第76章 ゾルダー⑥

「船の親玉が、爆発から逃れて火星に向かった。全機、急いで後を追え」

 落ち込むジュンの心を元気にする、ゲバラの声が艦内に飛び込んできた。


「ゲバラ! 無事なのか?」

 ジュンはスレイユが応答するよりも先に声をあげた。


「ジュンか。ああ大丈夫だ。俺は不死身だぜ。俺よりも、おまえのほうが重病人のような声だぞ。風邪でも引いたか?」

 ゲバラが軽口を吐いてきた。


「俺たちもすぐに向かう」

 そこにスレイユがすぐに割って入り、着陸の準備を始めようとした。


「いや、おまえたちは、しばらく待機していろ。着陸するのは悪魔退治をしてからだ」

 ゲバラがいつもの口調で声を返してきた。


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