第76章 ゾルダー①
「もう一か所のエンジンが破壊すれば、この船は動かなくなる」
ゲバラは独り言を眼で語り、辺り一面に立ち込める黒煙を潜り抜けた。
そこに、ここに向かっている足音を感じた。その近づいてくる気配は、あのガイガーを思い起こさせた。だがここに、奴はいないはずだ。ゲバラは壁に身を潜め、その気配を探った。すると、前方の通路からだった。
「出てこい! ここにいるのは俺様だけだ。武器は持っていない。貴様とサシで勝負しにきた」
現れた怪物のような奴が、オスライオンのように吠えてきた。
吠えてきた奴はガイガーと似たような巨人で、威圧するような邪悪な雰囲気もそっくりだった。どうりで、ガイガーの気配を感じたわけだ。
「貴様がゲバラだな。俺様は、ガイガー様の右腕、ゾルダー様だ」
怪物が珍しく名乗ってきた。
「俺を知っているのか。俺も有名になったもんだ」
ゲバラは壁を離れ軽口で返すと、ゾルダーと相対し身構えた。
「ガイガー様と対戦した貴様の力がどの程度か、確かめてもらうぞ」
ゾルダーが妙に自信気な口調で吐いてきた。
「それは別に構わないが、確かめた代償として、あんたは死んでるぜ」
「ほう~。それは楽しみだ」
ゾルダーは不敵な笑みを浮かべ、ドスの効いた声を返してきた。
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