第75章 俺たちは負けるわけにはいかねえんだ⑤

「ゾルダー様、敵の船が見えなくなりました」

 モニターを見ていた部下が声を飛ばしてきた。


「なに?!」

 ゾルダーは即座に聞き返した。


「Sガンマー波装置が、2機とも破壊されています」

 発射操作を復旧させようと、何度も試みながら部下が答えてきた。


「侵入者です。破壊された場所から、誰かが侵入してきました」

 今度は別の部下が青い顔で報告してきた。


「なに?!」

 ゾルダーは監視カメラの映像に眼をやった。


「こいつは? なぜ? こいつが、ここにいるんだ?!」

 映像に向かって驚いた声を飛ばした。


「ゾルダー様、この侵入者を知っているのですか?」

 報告した部下が訊いてきた。


「こいつは、人間じゃない。ガイガー様と戦ったヒューマノイドだ」

 ゾルダーは映像を睨んだまま、荒げた声を飛ばした。


「ガイガー様と戦ったのに、生きているのですか?」

 部下が信じられないという声を返してきた。


 いままでガイガーと戦った相手は、全員が殺されていたからだ。


「ガイガー様に殺されたものと思っていたが。あいつは、おまえたちが倒せるような相手ではない。俺がや(殺)る。おまえたちは手出しするな」

 ゾルダーは命令すると、さっと指令室を離れて、獲物を狩る獣のように眼をぎらつかせ進入路に向かった。


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