第75章 俺たちは負けるわけにはいかねえんだ③

 レーザー弾と双方の戦闘機が撃破される音が飛び交う中、追われていたアリーナがどうなったのか? 俺は頭を左右に振って、アリーナの機を探した。無事なのか? 心配していたが、さすがだった。3機に追われていたが、2機に減っていた。だが、1機の射程に。


「まずい! そうはさせるか!」

 俺は思わず声を飛ばし、全速で近づくと、指を動かした。


「これでもくらえ!」

 俺は感情的に声を飛ばし、ぶっ放した。


 アリーナの機を捉えていた戦闘機は、あっけなく宇宙のゴミとなった。アリーナも執拗に追撃していた戦闘機を撃破した。


「ありがとう」

 アリーナの声が耳に飛び込んできた。


「まだ戦いは終わっていない。あの艦船を破壊しないと」

 俺は機を反転させた。


「俺に任せてくれ。あんたたちは、周りの戦闘機を叩いてくれ」

 そこに威勢のいい声が割り込んできた。


 声の主は、ゲバラだ。


「ゲバラ、あなただったの? 船を破壊したのは」

 アリーナが少し驚いたような声をあげてきた。


「ああそうだ。ここでのんびりと話をしている時間はない。アリーナ、宮島さん。残りの戦闘機を叩いたら奴隷船を拿捕してください。万一のときに火星の人々の救出に使える」

 ゲバラは声を返すと、旗艦に突っ込んでいった。


「わかったわ」

 俺が返答する前に、アリーナが離れていくゲバラに応じた。


「俺の戦闘機は、あの艦船以外には見えない。アリーナ、俺が援護する」

 俺は、代わりにアリーナに声を返した。


「ええ心強いわ。行くわよ」

 アリーナが答えると、俺たちは一気に機を反転させ、仲間の助太刀に向かった。


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